599:名無しNIPPER[sage saga]
2016/04/20(水) 20:53:00.77 ID:bHe9xFKs0
「治療される艦娘様の容体は」
重症の患者がいるならば、ある程度の用意をしておかなければならない。その為に容体を聞く事は重要だった。
提督によれば負傷した艦娘は函館の所属を含め、複数いると言う。
その中には那智さんもいた。右腕に重度の噛傷、火傷を負っているとの事。
それに加え、大量の汗を全身から噴出させ、痙攣を起こしているという。
症状から鑑みるに、恐らく那智さんは毒を受けたのだろう。腕にある裂傷。そこから侵入したのだと考えられる。
確かに僕が行かなければならないことだと一人納得する。火傷や裂傷といった傷であれば入渠装置でどうにかなるが、毒を取り除く事は出来ない。
深海棲艦には個体によるが、毒を持っている者も存在する事が研究や報告で判明している。
だがそれは逆を言えば、判明している範囲であれば対策を立てることが出来ると言う事だ。
車にある程度の解毒剤は積んで来ているし、埃をかぶっているが工廠にもある事を確認している。
何とかなる。……いや、何とかしなければならない。それが僕の存在意義なのだから。
頭の中で治療の段取りを立て始めた時、続けて提督の口から、ひとりの少女の名が出された。
616Res/599.30 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。