602:名無しNIPPER[sage saga]
2016/04/20(水) 20:57:37.15 ID:bHe9xFKs0
「恐らく、リミッターの解除かと思われます」
提督「リミッター?」
「はい。人間で言う、火事場の馬鹿力、というものです」
人間は、危機的状況に瀕すると限界を超える力を発揮することがある。
意図的なものかそうでないかは解らないが、それと同じものが艦娘にも搭載されているという情報、そして実際の報告を耳にした事がある。
リミッターを解除される条件は詳しくは解っていないが、驚異的な力を発揮する時は、いずれも自らの命、又は仲間が危機に瀕した時だという。
弥生ちゃんが目の前で撃たれ、激昂した卯月ちゃんが無意識にリミッターを解除したという事は十分に考えられた。
そして限界を超えた力を発揮した艦娘たちは、いずれも唐突に激しい脱力感に襲われている。
卯月ちゃんに見舞われた状況は僕が見聞きしたものとほとんど一致している。まず確定的と言っていいだろう。
それらを提督に説明すると、得心が言ったように言葉を漏らした。
提督『……なるほどな。感謝する。……ではお前はドックに』
「提督。一つ進言したい事があります」
無線を切ろうとする提督の言葉を遮り、口を挟む。
どうした、といぶかしむ彼に、僕は抱えていた推測……。いや、確信を口に出す。
「恐らく弥生殿はまだ、亡くなってなどいません」
提督『……なんだと?』
信じられないと言った様子の提督に僕は言葉を重ねる。
「彼女を救う為にも……容体を詳しく、教えて頂けませんか」
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