603:名無しNIPPER[sage saga]
2016/04/20(水) 20:58:37.76 ID:bHe9xFKs0
・・・・・・
提督とのやり取りを終え、一息ついていると間宮さんが声を掛けてきた。
間宮「……なんだか大変な事になってるみたいですね……」
僕の口から出た不穏な言葉を聞きとったのか、神妙な顔を向けてくる。
そうですね、と返す。間宮さんの言った通り、大変な事になっている。隠しても意味がない以上、嘘は付けなかった。
「それでは戻りましょうか。……先程から振り回してしまって申し訳ありません」
間宮「いえいえっ!結果的に皆さんのお役に立てましたし、大丈夫ですっ」
本当に気にしていない、と言わんばかりの彼女の微笑みに胸をなで下ろしたが、それでもこんな危険な場所に給糧艦である彼女を引きつれた罪悪感を拭う事は出来なかった。
そんな感情に尾を引かれながらも、ゆっくりと立ち上がる。……が、眩暈にまたバランスを崩してしまう。
倒れそうになる僕の体を、すかさず間宮さんが支えてくれた。
間宮「だ、大丈夫ですか?もう……立ち上がるなら言ってくれなきゃ、めっ、ですよ?」
「……申し訳ありません」
先に支えてくれた時と変わらずに微笑んでくれる彼女に、僕は感謝を覚えつつ、謝る事しか出来なかった。
再び肩を貸して貰いつつ、丘を下りる。
こんな状態で治療など出来るのかとも思ったが……今はやるしかない。やらなければ掛替えの無い命が潰えてしまう。
仲間を失う気持ちは痛いほど解る。それを彼女達に味あわせたくなどない。
それに、そうなってしまえば『彼女』との約束を違える事に繋がる。それは絶対に避けなければならない。
そう思えば、自分の体の事などに構っている事など出来なかった。
616Res/599.30 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。