97:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/06(月) 00:25:01.26 ID:8Qk0vOMw0
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そこから車で30分。他愛も無い会話をしつつ、何度目かの瑞鳳さんの案内の下、寮に到着した。
寮は少し田舎にあるようなマンションの様な風体を無していた。外壁は塗装で白く塗られ、傾く夕日を浴び、赤く反射している。
なんとなく、学生時代の実家を思い出す。
ただひとつだけ実家と食い違うのは、アパートの屋上部分が、がっつりと抉られている点だった。
おそらく基地の襲撃を受けたときに流れ弾が直撃したんだろう。
瑞鳳「ありがとね。助かっちゃった」
「どういたしまして」
瑞鳳さんの微笑を横目で見ながら、小さく頭を下げる。
ここで瑞鳳さんともお別れだ。……長い一日だった。
瑞鳳さんも車のドアに手を掛けて、静かに開けて車から出るととそのまま寮のほうへ歩いて
瑞鳳「あ、そうだ。番頭さん、晩御飯ってどうするの?」
行かなかった。
振り返り、首をかしげる。やめてかわいいから。
「家に戻って、適当に何か食べようかと思ってた」
瑞鳳「適当って?」
「カップラーメン……とか」
瑞鳳「やっぱり。そんなの食べてたら体の調子崩しちゃうよ?」
その時、番頭に電流走る。いや走らないけども。
覚えのある雰囲気を瑞鳳さんから感じ取る。これは強引な瑞鳳さんモードだ。
瑞鳳「寮まで来たんだし、せっかくだから食堂でご飯食べていこ?私もこれからご飯だし」
食堂で飯を食べれるというのは有難いけど、ここ艦娘の寮だよな?
艦娘でもなく、さらに男である僕が中に入ってしまってもいいものだろうか。
「いいの?」
瑞鳳「いいのいいの。ほら、早くいこっ」
そう言うと、瑞鳳さんは運的席の方へ回り、ドアを開けると、僕の手を掴んで引っ張った。
やっぱりこの子強引だ……。というか手を握るのやめてって。心臓に悪い。
瑞鳳さんの強引さに戸惑っているうちに、僕は車の外へと引きずり出されていた。(語弊があります)
瑞鳳「ほら、こっちこっちっ」
そのまま僕は寮の中へと引きずられていく。
振り払っても良かったけど、あの悲しい顔をされたらたまったもんじゃない。
僕は結局何もできず、瑞鳳さんのなすがままにされた。
なんだか表現がやらしいNE!
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