2:名無しNIPPER[saga]
2015/06/01(月) 02:36:30.05 ID:36HEwyO90
猫は初めて雨に打たれ、初めて風に吹かれ、箱がしなびていくのよりも早くボロボロになっていきました。
もう誰も、お金を払って猫を買う者などいないでしょう。
水たまりに映る姿は雑巾のようで、群青の滴が一滴落ちると、水面に波紋をつくりました。
限界までお腹が空いてようやく、猫は箱から出ることを覚えました。
初めて歩く土は居心地が悪く、足の裏をいじめてきます。
鼻にかかる草はくすぐったくて、足元には蟻が道を作っていました。
何匹か舌ですくって食べると、幾分空腹が紛れたように思えました。
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