過去ログ - 京太郎「私は、瑞原はやりです☆」
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58: ◆Lw8TjwCkqM[saga]
2015/06/02(火) 00:36:17.79 ID:MVeHCSPq0
校長の短い講義が終了すると、少しだけ間延びした
何か質問でもしてみようか
京太郎「あー…と、数学がお好きなんですね」
校長「ふふっ……なかなか痛いところを突くな、君は」
京太郎「?」
校長「私はね、数学者に成りたかったのだよ」
京太郎「そう、なんですか」
校長「ああ。子供の頃から、数を使った遊びが得意でね」
校長「ガウス、オイラー、ヒルベルト、リーマン、ラマヌジャン、ノイマン、小平邦彦……憧れたものだった」
京太郎「……」
校長「頭の中には、数字が地図のようにしてマッピングされていてね」
校長「小さい頃は、みんなもそうだと思っていたんだが、後々違うのだと分かったよ」
校長「私は、その地図を使って自由に計算することができた。自慢じゃないがね、私は特別だった。大学ではもちろん数学を専攻した」
試しに大学名を聞いてみると、誰もが知っているあの大学だった
校長「没頭したよ。のめり込んだ。そして、かなりいいところまでいったんだが……でも、色々あってね。ダメになった」
校長「為にならない教訓を教えておこう。世の中には、才能だけではどうしようもないこともある」
校長「しかし、才能が物を言う場合も確かにあってね。ははっ、なかなか難しい」
京太郎「……」
校長「流れに流れて、こうして私は校長という職に就いているのだが…いやはや」
校長「私は何にも成れなかった。成れると思っていた時期もあったのだが」
京太郎「……」
校長「夢に破れて、それでもすがりつくようにして、高校の数学教師になってね」
校長「それから、しばらくしてからのことだった。私がはやりんに出会ったのは」
校長「彼女は、私のアイドルに成ったよ」
その時の校長は、俺には見ることのできない、はるか遠くを眺めていた
そこに、どんなエピソードあったのか、それは説明してくれなかったけど、聞こうとも思えなかった
きっとそれは、校長にとって、とても大切なはずのものだったから
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