過去ログ - 京太郎「私は、瑞原はやりです☆」
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596: ◆Lw8TjwCkqM[saga]
2015/06/13(土) 23:54:00.91 ID:pvaRwyxoo

十数分くらい皆と会話をしていると、駅に到着した

さらに、そこから少し電車に揺られること十数分すると、また一人、また一人と電車から降りて行った

塞「じゃあねー」

京太郎「ええ、臼沢さん。またです」

白望「ん…」

白望さんは、手を上げるだけだった



みんなとも別れると、白望さんと二人きりになる

たった二両編成の電車に揺られながら、何も言わずに二人で夜景を眺めることになった

街灯が、ほとんどなかった

ときどき、ポツンと光が見られるだけで、そのほとんどは暗闇が支配していた

白望「……」

京太郎「……」

ガタンゴトン、と電車がだけが動いているようだった

でも、こういうのも悪くない

虫にでもなった気分だった。光を求めて、そちらに視線を向ける

奇妙な気分だ。電車が停止すると、外の草むらから、虫の鳴き声が聞こえてきた

虫は、光に集まってくる。群れを作る。しかし、それは人間のように、心の繋がりを形成しているわけはない

たまたま、その光に集まって来ただけ。家族とか、友人とか、恋人とか、そういうのではない


慣れない人達と、慣れない行動をしたせいか、疲れた

そのせいか、ただの田舎の風景が、何ものにも代えがたい価値を持っているような気さえした

電車の音しかしなかった。ただ、夜景が流れていくだけ

気分は、『千と千尋』の電車のシーンだった

京太郎「……」

白望「どうだった?」

白望さんは、わずかに顔をこちらに向けて、そう尋ねてきた

彼女なりに、気を遣っているんだろう。だから、素直に応えることにした

京太郎「疲れました」

白望「…そう」

京太郎「けど、みんないい人たちでした」

白望「そう」

ほんの少しだけ、誇らしげなような気がした



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