過去ログ - 忠犬あさしお
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3: ◆zPnN5fOydI[saga]
2015/06/05(金) 13:17:01.15 ID:wX34OwfC0
日が暮れ、気温が下がり始める時になっても、司令官は戻ってこない。すぐに戻ってくる、という彼の言葉を、朝潮は何度反芻しただろうか。そして最近まで軍隊で生活をしていた朝潮の手元に、現金はほとんどない。

「何をやっているの?」

声のした方を向くと、朝潮の先輩にあたる北上がそこにはいた。

「司令官を、待っているんです」

「寒くないの? 鎮守府の皆が、心配していたよ」

「ごめんなさい。でも、司令官との約束ですから」

「……体を壊さないように気を付けてね」

北上は朝潮にビニール袋を無言で渡し、暗闇に消えていった。袋の中には、コンビニのホット飲料とパン。北上が朝潮のことを心配し、なけなしの小遣いで買ってくれたものだった。

「……ありがとうございます」

朝潮は、もう姿の見えなくなった北上に対して、心の中で、そう、呟いた。



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