過去ログ - 速水奏「インタビュー・フォー・ヴァンパイア」
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26:名無しNIPPER[saga]
2015/06/06(土) 19:15:59.73 ID:XNBCNfvPo

 「ほい」

 「何よこの手は」

 「何って、差し入れ。お見舞いと言ったらやっぱり、ねぇ?」

 「ちゃっかりしてるわ……はい」

後ろ手に隠していた花束をそっと差し出す。
ラッピングされた、二輪だけの花束。

 「お見舞いと言ったらやっぱり、花よね」

 「…………」

 「花より団子が良いとか言い出さないでよ」

 「……これ、何て言う花?」

 「何と言ったかしら……夕美に見繕ってもらったから、気になるなら訊いてみて」

 「ふぅん……まぁいいや。奏からの花なら何だって嬉しーし」

彼女に負けず劣らずの白い花を眺めて、周子が微笑む。
このまま時を止めて、額縁に入れて飾ってしまいたくなる光景だった。


けれど彼女は人間で。
0時を過ぎれば、また明日がやって来て。
そして眩しい朝陽が昇る。



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