11:名無しNIPPER[saga]
2015/06/07(日) 18:10:58.73 ID:E5S6rm4f0
……つまりおれは、頑迷な愚か者であったということか?
12:名無しNIPPER[saga]
2015/06/07(日) 18:12:06.85 ID:E5S6rm4f0
イベントは進む。
おれは眺めつづける。
13:名無しNIPPER[saga]
2015/06/07(日) 18:13:08.45 ID:E5S6rm4f0
嫁……消えうせもせず、変わりもせず、おれの心を掴んで放さないもの。
手に入れるための手段、あるいは上位報酬、あるいは月末ガチャ……。
おれは眺めつづける。
14:名無しNIPPER[saga]
2015/06/07(日) 18:14:22.82 ID:E5S6rm4f0
おや、何だ?
その時おれはなんともいえない違和感を覚えた。
何かがおかしい。
15:名無しNIPPER[saga]
2015/06/07(日) 18:15:50.17 ID:E5S6rm4f0
コトンと靴が、足から離れて地面に落ち、おれは事態を理解した。
地軸がゆがんだのではなく、おれの片足がなくなっているのだった。
時がたつにつれて、おれの足がどんどんなくなっていった。
16:名無しNIPPER[saga]
2015/06/07(日) 18:17:26.24 ID:E5S6rm4f0
もうこれ以上、一歩も歩けない。
途方にくれて立ちつくすと、同じく途方にくれたもう片方の足、腰、腹……。
また、腕、肩、胸が次々と細かくなって画面に吸い込まれていった。
17:名無しNIPPER[saga]
2015/06/07(日) 18:19:01.08 ID:E5S6rm4f0
後に一枚のSRが生まれた。
18:名無しNIPPER[sage]
2015/06/07(日) 18:19:15.41 ID:aF6PRV4nO
安部公房の中でも好きな話だ
19:名無しNIPPER[saga]
2015/06/07(日) 18:20:15.36 ID:E5S6rm4f0
ああ、これでやっと愛でられるのだ。
これだけは確実に他の誰でもない、おれのものだ。
だが、嫁のSRが生まれても、今度は愛でるおれがいない。
20:名無しNIPPER[saga]
2015/06/07(日) 18:23:39.38 ID:E5S6rm4f0
画面の中で時がとだえた。
外界は移り変わってゆくが、画面の中はいつまでも変わらず、同じ景色がつづいている。
どのくらいたっただろうか、彼はSRとなったおれを、月末ガチャで引きあてた。
21:名無しNIPPER[saga]
2015/06/07(日) 18:26:01.96 ID:E5S6rm4f0
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