7: ◆R4LxbbyKhE[saga]
2015/06/10(水) 16:33:37.73 ID:3C8r5qrF0
「今ハッキングが完了した。これでプロダクションの監視システムは一時的に俺たちを認識出来ない」
『よくやったツールマスター=サン。あとは君が北口から、私が南口より敷地に侵入して本館に向かい、
あの忌々しいチヒロ=サンを殺せば、すべて元通りだ』通信を受けたインフィニティの言葉は荒い。 2
8: ◆R4LxbbyKhE[saga]
2015/06/10(水) 16:34:29.77 ID:3C8r5qrF0
彼らにとってみればつい先日まで自由に出入りできていた、第二の我が家というべき場所にコソコソと侵入
せねばならぬのだ。その屈辱はいかほどばかりか、言葉では表すことは出来ない。相棒の言葉に自らも
気持ちを奮い立たせて、だが一方で冷静な口調でツールマスターは警告する。 3
9: ◆R4LxbbyKhE[saga]
2015/06/10(水) 16:35:24.58 ID:3C8r5qrF0
「だが用心しろ。監視システムは死んでいても、独立起動しているモータウサや随所に散りばめられたトラップ
までは無効化できていない。それに、あの噂の連中の存在もある」ツールマスターが気にかけているのは、まこと
しやかにプロダクション内で囁かれているある噂話に出てくる者達のことだ。 4
10: ◆R4LxbbyKhE[saga]
2015/06/10(水) 16:37:03.42 ID:3C8r5qrF0
……曰く、センカワ・チヒロを守る凄まじいカラテの使い手がいる。曰く、アイドルやプロダクションに危険と
思わしき連中を闇の中で消す者達がいる。曰く、夜のプロダクションは魔物めいて恐ろしい守護者が
巡回している。……どれも根拠の無い噂話ではあったが、今日に限っては、ひどくその噂話が恐ろしい。 5
11: ◆R4LxbbyKhE[saga]
2015/06/10(水) 16:37:44.37 ID:3C8r5qrF0
『ああ、凄腕の守り人がプロダクションにはいるという噂か……。だが、所詮は噂だ。実際アーチプロデューサーで
ある私やツールマスター=サンが会ったことがない人間が、このプロダクションにいるはずがないだろう。
それに、仮に会っていたとしても、その力が我々のカラテやジツに及ぶはずもない』 6
12: ◆R4LxbbyKhE[saga]
2015/06/10(水) 16:38:29.28 ID:3C8r5qrF0
慢心ともとれる言い草であったが、実際数万人単位でいるプロデューサーのほんの一握りしかなれないアーチ級に
選ばれる者の実力は、そのカラテ、ジツ、営業能力、礼儀作法、アイドル達とのコミュニケーション能力、
どれをとっても本来ならばそこらのサンシタでは相手にすらならないのだ。 7
13: ◆R4LxbbyKhE[saga]
2015/06/10(水) 16:39:11.18 ID:3C8r5qrF0
「……そうだったな、すまない。緊張による失言だった、忘れてくれ」『構わない。これから私達が行おうと
していることは前代未聞だが、確実に後の世のためになることだからな』少しだけ口調を柔らかくしてくれた
インフィニティの気遣いに感謝しつつ、ツールマスターはチヒロ暗殺のための最後の確認を行う。 8
14: ◆R4LxbbyKhE[saga]
2015/06/10(水) 16:39:46.27 ID:3C8r5qrF0
「あとは暗殺の方法をオサライ・インストラクションするぞ。俺とインフィニティ=サンがそれぞれ別方向から
プロダクションへ侵入し、チヒロ=サンがいる本館最上階アシスタント専用室へと向かう。途中、どんなことが
あってもお互い連絡は取り合わず、誰にも見つからないように行動し、極力騒動は避ける」 9
15: ◆R4LxbbyKhE[saga]
2015/06/10(水) 16:40:24.43 ID:3C8r5qrF0
そこで一息置いたツールマスターの言葉を、インフィニティが続ける。『しかしどうしても邪魔をしてくる者が
いれば迎撃する。だがあくまで目標はチヒロ=サンの首一つ……だな?』 10
16: ◆R4LxbbyKhE[saga]
2015/06/10(水) 16:41:07.17 ID:3C8r5qrF0
「ああ、あとはアシスタント室に残されているはずのチヒロ=サンの不正行為の情報を世間に公表し、シンデレラ・
プロダクションを清潔にするだけだ」実際不正行為の証拠をチヒロが残している確証はなかったが、仮になくとも
捏造すればよいだけ……。 11
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