51: ◆SHIBURINzgLf[sage !蒼_res]
2015/06/16(火) 22:17:19.84 ID:TNu+XPfeO
これで前半を終えました。
明日はアイチャレ最終Rでどうなるかわからないので、
次回は明後日ということにしておいてください。
52:名無しNIPPER[sage]
2015/06/17(水) 00:29:10.01 ID:Hk3xxkcWo
ああ^〜いいっすね^〜
53: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/06/18(木) 22:24:41.55 ID:MUuaVWOfO
・・・・・・・・・・・・
54: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/06/18(木) 22:25:48.36 ID:MUuaVWOfO
身を削って厄介な書類と格闘していたせいで、いつの間にやらテッペンを越えてしまっていた。
毎日歩く退勤路。さっさと帰りたいと気が逸るが、普段以上の人込みと濡れた足許がそれを許さない。
先刻まで晴れていたものの、この時期の気まぐれな下り坂で、久しぶりに折り畳み傘の出番となったのだ。
55: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/06/18(木) 22:27:55.90 ID:MUuaVWOfO
さらには、土曜日ならではの、羽を伸ばした人々の多さときたものだ。
こっちにしてみれば、週休二日なんて言葉が形骸化して久しいと云うのに。
まったく、何もかもが、人の気を滅入らせてくれる。
56: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/06/18(木) 22:29:25.67 ID:MUuaVWOfO
社会の歯車、ソーシャルギア。
もっと言ってしまえば、社畜。
そりゃ、結果が出るときは、やり甲斐を感じられることもあるが。
57: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/06/18(木) 22:30:52.10 ID:MUuaVWOfO
ああもう、こんな厭―いや―な気分になるのは、ぜんぶ雨のせいだ。
自分勝手な八つ当たりを、天気という自然現象に向け、傘を退けて暗い空を睨む。
次の瞬間、強い雨脚は、まるで嘲嗤うかのように僕の顔面を殴りつけた。
58: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/06/18(木) 22:31:52.58 ID:MUuaVWOfO
「――何やってるの、アンタ?」
ふと、聞き覚えのある声が、僕を呼んだ。多少の呆れた感情も交じったような口調だ。
慌てて声のした方を向く。
59: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/06/18(木) 22:32:44.55 ID:MUuaVWOfO
相変わらずの無愛想な眼と唇――
しかし今日の彼女は、先日とはまるで印象が違った。
傘も差さずに立ったまま、雨に濡れそぼつ身体をどこぞの軒下へ隠そうともしない。
60: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/06/18(木) 22:33:41.23 ID:MUuaVWOfO
「さっきまで何ともなかったのに、いきなりこんな降り出すなんて思いも寄らないでしょ普通」
傘を彼女の上へ掲げながら問うと、『濡れ鼠』と云う語がやや気に食わなかったのか、目つきが若干鋭くなった。
それにしたって、降り出したら地下なり建物なり、どこか雨宿りをすればいいだろうに。
61: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/06/18(木) 22:34:37.90 ID:MUuaVWOfO
なんでも、建物内だったり改札が目と鼻の先にあったりすると、誘いを断られる比率がぐんと上がるらしい。
僅かな理性を優先して、円光と云う非日常への甘い誘惑と人の目を振り切り、建物から出ずに邁進すればいい。
眼前の機械にPASMOをタッチしてしまえばいい。
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