120: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/06/23(火) 00:35:02.41 ID:FQaAjeMeO
こちらから彼女の表情を窺い知ることはできない。
しかし、その言葉の合間々々には、発情した甘い吐息の音が混じっていて――
頭の中で、理性が、何かを必死につなぎ止めていた糸が、勢いよく切れる音がした。
121: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/06/23(火) 00:41:43.73 ID:FQaAjeMeO
――
僕は枕に顔を埋めていた。
122: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/06/23(火) 00:42:38.39 ID:FQaAjeMeO
折れてしまいそうなほど華奢な身体をがっちりと組み敷き、腰を激しく叩き付ける……
その貪るような行為は、もはや『抱いた』ではなく“犯した”に等しい。
すんでのところで理性を持ち直して、内部で果てることだけは避けたが……
123: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/06/23(火) 00:44:03.01 ID:FQaAjeMeO
遠い目をする僕の横で、仰向けのまま荒い息をしているリンが、顔だけこちらに向けて云う。
「ピル飲んでるから、別にナカへ出してもよかったのに」
そういう問題ではない。
124: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/06/23(火) 00:44:47.34 ID:FQaAjeMeO
曰く、初めて声を掛けたときの直感が、案の定当たっていたと。
先日はおろか、今日も先程まで僕が手を出さなかったから、第六感が外れたかと思ったそうだ。
でも、僕に今抱かれて、それが間違ってなかったと、僕が蔭の側の人間だと確信に変わった。
125: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/06/23(火) 00:45:15.18 ID:FQaAjeMeO
「私も普段は円光で抱かれたって何も感じないんだけどさ、今日は気持ちよかったよ」
リンが、自らの腹部に放たれた残滓を拭いながら、男としては嬉しい言葉を発してくる。
ただし、凡そそう思ってるとは感じられない無愛想な顔だ。
126: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/06/23(火) 00:46:53.93 ID:FQaAjeMeO
あんな風に犯されて、この子は何とも思わないのだろうか?
「別に。まあ、どこか自分がスレてるっていうのは判ってるよ」
そうは云っても擦れ過ぎではないのか。
127: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/06/23(火) 00:47:29.89 ID:FQaAjeMeO
つまらない、という言葉。
僕には、これが彼女の悲痛な叫びのように思えて仕方ない。
何かを渇望するような――どこか違う世界へ飛び立ちたいと願っているような。
128: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/06/23(火) 00:48:14.06 ID:FQaAjeMeO
彼女も、何を云うでもなくこちらへの視線を外さない。
愛想はないのに、何故か、可愛い。
顔だけに留まらず、身体全体が美しい造形をしているし……
129: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/06/23(火) 00:49:31.05 ID:FQaAjeMeO
刺激を求めているのなら。
違う自分への願望があるのなら。
今のつまらなさを打破するきっかけを求めて彷徨っているのなら。
130: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/06/23(火) 00:50:27.18 ID:FQaAjeMeO
「……円光で、遊びでセックスする女子高生をアイドルに誘うって……アンタ本気で云ってる?」
ようやく絞り出した台詞は、驚きと呆れに満ちていた。
僕は黙って頷く。
131: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/06/23(火) 00:51:43.77 ID:FQaAjeMeO
「……まあ、それも一理ある、かな」
リンはやや自嘲気味に嘆息しながら、伸びをした。
肩甲骨から背骨の窪みへのラインが、僕の目に飛び込む。
132: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/06/23(火) 00:53:32.79 ID:FQaAjeMeO
「ね、もう一回、シてもいいよ。代金は出世払いってことで」
意地悪く、そして嬌艶に笑うリンの碧い瞳が、僕の目の前へ寄る。
つられて角を上げた僕の口は、彼女のふくよかな唇に塞がれた。
133: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/06/23(火) 00:54:24.65 ID:FQaAjeMeO
この不夜城は、眠らない。
134: ◆SHIBURINzgLf[sage !蒼_res]
2015/06/23(火) 00:56:33.79 ID:FQaAjeMeO
N特訓前の凛しか見たことない&もしSR昇格以降の彼女を知らなければ……というイメージでこしらえました。
並行世界の、こんなスレた凛もいいかなと思うんです。
それではまた何れの機会に。
135:名無しNIPPER[sage]
2015/06/23(火) 01:06:54.48 ID:6dpcDyeiO
実に素晴らしい…
136: ◆SHIBURINzgLf[sage saga]
2015/06/23(火) 13:20:34.62 ID:OuMyAA1yo
フォローという名の蛇足:
凛「……なにこれ」
137:名無しNIPPER[sage]
2015/06/23(火) 22:37:56.60 ID:k4seJco6o
おつ
妄想と理想がいい感じに出てて面白かったです
あと関係ないですが酉がすげぇ
138:名無しNIPPER[sage]
2015/06/24(水) 22:11:41.04 ID:Km1/ezOAo
こんなSS読んだの初めてだわ
上手く言えないけど良いね
139:名無しNIPPER[sage]
2015/06/26(金) 03:01:15.84 ID:4WLphEm9o
乙乙!こういう文章いいなぁ
男と女はクレモンティーヌのバージョンとか好きだった
140:名無しNIPPER[sage]
2015/07/25(土) 03:03:04.10 ID:+SKepTt+O
今更読み終わったけど面白かった
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