96: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/06/20(土) 23:27:46.55 ID:pYHYo9LkO
彼女の動作で漂う石鹸の香りが、ほのかに辺りを染める。
テーブルに置かれたものは、高校一年の教科書と問題集、そしてルーズリーフの束。
それらには『RIN』と書かれており、僕はこのとき初めて、眼前の女子高生の名前を知ることとなった。
97: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/06/20(土) 23:28:43.95 ID:pYHYo9LkO
「……なに?」
僕の予想だにしない行動だ。まさか真面目に課題を進めるとは、全く以て意外としか云いようがない。
しかも驚くべきことに、手にしているのは、やや高度な設問だ。
98: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/06/20(土) 23:30:10.44 ID:pYHYo9LkO
てっきり不良少女という先入観から、学業は放棄しているものと思い込んでいた。
これじゃ、むしろ優等生の部類ではないか。
彼女は、半ば社会を小馬鹿にしたような眼と口調で、空気を押し出すように語る。
99: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/06/20(土) 23:31:45.70 ID:pYHYo9LkO
表向き勤勉な者の非行ほど、手を焼くものはない。
腹立たしいはずの仕種なのに……その表情から憐憫を感じてしまうのは何故だろう?
「ちょうどいいや、仕事終わったんなら勉強教えて。高校の数学くらいわかるでしょ?」
100:名無しNIPPER[sage !蒼_res]
2015/06/20(土) 23:34:54.75 ID:pYHYo9LkO
今日はここまでにします
明日と月曜は本業のフェスで飲み合いになりそうなので
更新できたらする、というスタンスにさせてください
それでは
101:名無しNIPPER[sage]
2015/06/21(日) 10:40:14.53 ID:1MBsLHAlo
みんなでボーダーとダンスしようぜ(前回爆死並の感想)
102:名無しNIPPER[sage !蒼_res]
2015/06/23(火) 00:17:34.60 ID:FQaAjeMeO
おいしいおいしいエナドリをガブ飲みして最終戦には勝ちましたが
気付いたら二枚爆死みたいな位置にいました
これには某同僚黄緑事務員もニッコリ
103: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/06/23(火) 00:18:46.78 ID:FQaAjeMeO
リンは僕の予想以上に飲み込みが早かった。
数年前の脳内遺産を必死に発掘して式の考え方を教えると、彼女は途端に応用問題をものにした。
104: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/06/23(火) 00:19:12.68 ID:FQaAjeMeO
「そ。日曜なら、昼間から引っ掛けられるからね」
せっかくここまで出来が良いのに、どうして火遊びなんかするんだか。
「出来が良いとか悪いとか関係ない。つまらない生活なんか要らない」
105: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/06/23(火) 00:20:34.29 ID:FQaAjeMeO
それが課題範囲の最終問だったのだろう、解き終わると、パタンと音を立てて本を閉じる。
「ん〜〜、終わり。ありがと、助かったよ」
リンが大きく伸びをして、礼を述べた。
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