過去ログ - コードギアス 【ロスカラ】
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112:名無しNIPPER[saga]
2015/06/19(金) 20:08:06.31 ID:978zBMZDO
相変わらず、アッシュフォード学園の風景は見事な物だった。よく整備された芝生が、柔らかい風を受けて波打つ。真上に昇った太陽を反射する建造物は神々しい雰囲気を醸し出していた。


昼休み。


外の空気が吸いたくなったライは、学園の敷地内をぶらぶらしていた。スザクやミレイ、カレンからしっかり食事を取れと言われているにも関わらず、食堂には近寄っていなかった。自分の体調くらいは把握している。あと二日と半日は何も食べなくても大丈夫だと考えていた。


それは普通の人らしい生活をしろという意味だったのだが、ライには分からない事だった。


校舎から離れ、クラブハウス付近のバルコニーに立ち寄った。敷地内はかなり広い。無謀な探索を試みた結果、遭難しかけた事が何回かあった。今でも未踏破地域に足を踏み入れるには勇気がいる。


しかし、こういった見通しの良い区域なら迷う危険性も低い。ライにとってみれば、アッシュフォード学園とは海のような存在だった。何もかも包み込むような懐の深さを持っているが、反対に得体の知らない部分も持っている。


一歩間違えれば遭難するところなど、まさに大海原といっても良いだろう。


(……大丈夫。もう少し進める)


度々姿を消すライに痺れを切らしつつあるミレイ会長は電話端末の強制携帯を検討している。ここでミスをするわけにはいかない。


自分を探しに来るのがスザクやリヴァル、シャーリーなら笑い話で済ませてくれるのだが、ルルーシュやカレンだと話は違ってくる。


スザクと一緒に遭難した時に見つけてくれたルルーシュは可哀想な物に対する視線を送って来たし、カレンからは「どうして迷うの?」と率直な疑問が寄せられた。あれは中々、心に来る。


ただの散歩が決死の大航海のような気分だった。因みにここは、ライが住んでいるクラブハウスのすぐ近くである。





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