197:名無しNIPPER[saga]
2015/06/26(金) 19:36:32.28 ID:AcBC3WIDO
自分が何をしたいのか。分からない。記憶探し以外のことを、なるべく考えないようにしていたからだ。そしてそれは、これからも変わらないだろう。
記憶を取り戻せば、きっと分かる。そう思うしかない。そのためなら、ギアスだろうが何だろうが、利用してやる。
不意に、C.C.が指を指した。その先には目当ての店があった。知らず知らずの内に接近していたらしい。もう一度、少女の方に目を移す。
既に、その姿は無かった。
次に会った時に、ギアスの力を目覚めさせてくれるらしいが、何時、どこにいけばいいか決められていない。これでは会えないのではないだろうか。
(いや……)
すぐに思い直す。彼女とは、きっとまた会うことになる。そんな確証の無い自信があった。
その時が、一つのターニング・ポイントとなるだろう。今はそれを待つしかない。不安が無いと言えば嘘になる。恐れが無いと言えば嘘になる。
それでも、前に進まなくてはならない。精神の深奥で何かが「やめろ」と叫んでいたが、ライはそれを無視した。
「…………」
空を見上げる。
黒い雨雲が切れ、僅かに晴れ間が覗いていた。
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