266:名無しNIPPER[saga]
2015/07/02(木) 12:12:28.51 ID:9ivMzcXDO
咲世子は優秀な侍女だが、買い物をまとめてやろうとする癖がある。クラブハウスには大勢の寮生が住んでいるのだ。気づいた時には、買い出しリストが膨大な量になっている事もザラだった。
「君は……仕事の帰りか」
チラリと大型モニターを横目で見てから、ライは尋ねた。丸一日以上かかるとは。昨日の一件が関係しているに違いない。
「うん。やっと終わったんで、夜食でも買って帰ろうと思ったんだけどね。この間と同じベンチに、また君の姿を見つけたから」
「そうか。おつかれ」
スザクと二人、ベンチに腰掛ける。
「はいこれ」
持っていた二つの紙袋のうち、一つを差し出された。中にはホットドッグが二個とコールスロー・サラダ、ドリンクが入っている。
「いや、これは受け取れない」
スザクが働いて稼いだ金だ。何もしていない自分が受け取るわけにはいかないと、ライは断った。
「じゃあ、いつ食べたの?」
「なにがだ」
「食事だよ。最後に食べたのはどれくらい前?」
「……一八時間ほど前かな」
本当は三八時間前だったが、ライは誤魔化した。一八時間前ならセーフだろう。そう思ったのだ。
「君は本当に……」
セーフではなかったらしい。
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