446:名無しNIPPER[saga]
2015/08/15(土) 17:15:49.21 ID:96BNk38DO
周囲の様子を窺う。<無頼>を倒した<サザーランド>が去っていくのを確認してから、カレンは放棄された機体へ駆け寄った。
円を描くように<無頼>の様子を確認する。頭部が破損している他に、大きな損傷はない。右手に持っている三〇ミリライフルも充分動きそうだった。熟練した身のこなしで各部を点検した後、操縦席を覗き込む。
「……キーが差しっぱなし」
ナイトメアを起動させるには専用のキーを差し込み、数桁のパスコードを打ち込む必要がある。この<無頼>は起動状態にあり、キーもあるため、今すぐにでも動かせるということだ。エンジンが掛かっている車と同じようなものだった。
必要なのは、運転手だけ。
「動かせるのか」
いつの間にかカレンの肩越しに操縦席を見ていたライが言う。
動かせる。
カレンはナイトメアの操縦法を知っている。それどころかこの戦場にいる誰よりも、その性能を引き出せる自信があった。ブリタニアの騎士連中にだって遅れは取らないだろう。
「え……? あ、えっと、出来ない、わよ。出来るはずないじゃない。ナイトメアの操縦なんて」
言ったそばから発言を後悔した。この期に及んでまだ我が身が可愛いのか。まだ偽るのか。
眉間に皺が寄る。手の平に爪が食い込む。気づけば俯いていた。
「そうか」
ライはカレンの様子など気にも留めず、操縦席に滑り込む。
1002Res/860.00 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。