468:名無しNIPPER[saga]
2015/08/18(火) 23:27:34.93 ID:2OP6sQVDO
第五世代の<サザーランド>を倒しているライからしてみれば、第四世代のコピー機である<無頼>は大した脅威ではないのだろう。再び戦場が混乱している今の状況を好機と思っているのかもしれない。
彼は先ほど見せた力を振るって、<黒の騎士団>を蹂躙する。間違いない。いくら統率されていても、相手はこちらをただのテロリストだと捉えている。付け入る隙はいくらでもあった。
先刻の戦いを見る限り、ライにパイロットを殺す気は無いようだが、どちらにしても<無頼>が破壊されるのはまずい。いまだ弱小組織である<黒の騎士団>にとって、ナイトメアは貴重な戦力なのだ。
「だ、駄目だって! 戦っちゃ駄目!」
「正気か君は。あちらに戦意がある以上、応戦するしかないだろう」
「とにかく待って! なんとかするから!」
狭いコックピットの中、操縦席の上で二人は激しく揉み合う。今までおとなしかったカレンの豹変に流石のライも戸惑いを隠せない様子だった。
カレンはライの上から降りて、コックピットの天蓋部に手をかけた。<グラスゴー>及び<無頼>には、周囲を見渡すためのキューボラがある。戦車と似たような物だ。そこを開いて、顔を出した。
「カレン……?」
ライは呆れているが、無理に引き戻そうとはしなかった。いま操縦桿から手を離すわけにはいかないのだろう。
カレンの顔を見るなり、<黒の騎士団>のナイトメア達はそそくさと道を開けた。胸をなで下ろしながら、コックピットの中に戻る。
「私達が敵じゃないって分かってくれたみたいね」
「…………」
阻む者のいなくなった<無頼>はそのまま戦場を通過し、租界付近まで辿り着く。
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