487:名無しNIPPER[saga]
2015/08/23(日) 20:18:10.72 ID:3Q5voUDDO
「女子供も関係ない。誰もがなすすべも無く死んでいった」
拳に力がこもる。血と肉が飛び交う光景。悲鳴と怒声。響き渡る断末魔。なんの罪も無い住民達は、人の形を奪われて肉塊になり果てた。普通の人間だったら間違いなく心的障害を負うだろう地獄絵図。
その中で、自分は何を考えていたのか。
「……なのに、僕は何も感じなかった。あまつさえ、彼らを囮にして助かろうと考えていた。七三人。それだけの日本人が目の前で死んでいるのにも関わらず、だ」
あの時、ライはあっさりと彼らを見捨てた。<無頼>を手に入れた後も、カレンを無事に帰すことを何よりも優先していた。ひたすら冷徹で、ひたすら合理的。
助からないと判断したものは破棄して、助かるものだけを守護するというわけでもない。絶対に守らなくてはならないもののために、助かるかもしれないものもあっさり切り捨てる。そしてそれを悔やみもしなかった。機械的ですらない、独善的でおぞましい思考だ。
だから思う。そんな思考の持ち主は、もうこの学園にはいられないのだと。
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