507:名無しNIPPER[saga]
2015/08/28(金) 18:15:07.49 ID:BCVIJtYDO
「話はこれで終わりだな」
空気を切り替えるように、ルルーシュが言った。
「すまないな。時間を取らせてしまった」
「いや、嬉しかったよ。こういう話は多分……必要だったと思うから」
スザクにそう言ってもらえると気が楽になる。ライはいつになく晴れ晴れとした気分で夜空を見上げた。
暗い空間には無数の光と、大きな満月が輝いている。ああやって光が真っ暗闇を照らしているのを見ると、自分の未来にも希望があるのではないか……そんな淡い期待が生まれてきた。
心の中で、何かの感情が渦を巻いている。この三週間、ずっとライを苦しめていた物だ。
夢というには不格好で、願いというには汚らしい。欲望というのが適切だろう。
利己的で、どこまでもおぞましい感情。他には何も持っていないくせに、こんなものばかりぶら下げているのだと思うと、どうしても自分という存在が醜悪に感じて仕方がなかった。
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