666: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/10/02(金) 00:04:31.03 ID:nnCi0cqDO
朝に考えていたカレンの事もある。自分が動くだけで様々な問題が解決すると思うと、なんとも不思議な感覚になった。
恩返しにもなり、自立することも出来る。胸を張れる。
<特派>に加入するメリットは計り知れない。もちろん、事はそう簡単に運ばないだろうが、ミレイの許可さえ貰えたらすぐに返事をしても良いくらいだ。
「ロイドさん」
「ん? なーに?」
こちらの聞きたい事など分かっているだろうに。ロイドはいつもの笑顔を向けてきた。
「僕はお役にたてますか」
「テスト・パイロットに必要とされる要素で君の右に出る者はいないでしょ。それは保証するよ」
「……そうですか」
ロイドが言うなら間違いないのだろう。得体の知れない力だが、磨けば光る。それは悪くない事のように思えた。
「ありがとうございました。失礼します」
「ん。またよろしくね」
頭を下げる。無意識に握っていた右手を解いて、ライは<特派>を後にした。
道を決める時が近づいている。
(ミレイさん、まだかな……)
夜空に浮かぶ月はだんだんと満ちていく。それを見上げ、ライは待ち人を想った。
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