73:名無しNIPPER[saga]
2015/06/18(木) 00:23:13.49 ID:0bD55o1DO
「えぇーっ! また!?」
シャーリーは頬を膨らませ、非難の視線をリヴァルに向けた。
「最近、生徒会の仕事もサボりがちだし……リヴァルからも言っといてよね!」
「いや、なんで俺が」
怒られるべきはルルーシュの筈なのに、叱責はリヴァルに行っていた。完全な貧乏くじだが、もしかしたらこれが彼の持ち味なのかもしれない。
なるほど、と内心で頷いているライをシャーリーは見て、
「記憶の方はどう? 何か思い出した?」
「いや……」
「……そっか。私でも力になれる事があったら、何でも言ってね」
彼女の言葉は暖かく、誠実さに満ちていた。少しそっけない印象のあるカレンとは、また違った優しさを感じる。
「……ありがとう」
カタコトすれすれの不器用な言葉だったが、シャーリーは笑ってくれた。
「もう少しで先生来るし、私は戻るね」
「ああ……」
「うん。じゃ、応援してるからね」
シャーリーは自分の席へ戻って行った。ルルーシュの事をリヴァルではなく、ライに聞いてきたのは、彼女なりの気遣いだったのだろう。
「それじゃ、俺も戻るかな」
「すまなかった」
「良いんだよ。会長が言うのとは別に、俺も好きでお前を手伝ってるんだからな」
そう言って照れたように笑い、リヴァルも戻って行った。その言葉には確かな優しさがあり、親しみがこもっていた。
(そうだな……)
こんなに暖かい人達が周りにいて、手を貸してくれる。他人と接するのはまだ慣れないが、生徒会メンバーになら最初の一歩を踏み出せる気がした。
頑張ろう。
そう思い、教科書を開いた。
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