861: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/11/10(火) 00:22:31.52 ID:RQrE+LDDO
人気の無い校舎の端っこ、階段の踊り場に辿り着く。そこでようやくライが振り返り、言った。
「今度は文句ないだろう」
「は?」
「以前、困っていた君を放置した事でへそを曲げられたからな。今回はバッチリだった。鮮やかな手際だったと自負している」
「…………」
ライは無表情ながらも自信気な様子だった。『さあ、褒めろ』と言わんばかりの空気を纏っている。
階段から突き落としてやろうかと思いながら、カレンは確認した。
「助けた……つもりだったの?」
「ああ。困っていただろう。見れば分かる」
今度はさっきよりも自信満々な様子だ。カレンは脱力して、息を吐いた。さっきまでの苛立ちは吹き飛んだが、今度は別の疲れが押し寄せてくる。
「はいはい。助かったわよ。ありがとう」
もう投げやりだった。教室では今頃、さまざまな憶測が入り乱れているだろう。リヴァルの輝いた顔が容易に想像出来た。
「……僕は何かミスをしたのか」
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