878: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/11/15(日) 23:58:02.43 ID:dxIhcDNDO
「なによ、保護者気取り?」
気遣いすらも疎ましい。僅かな苛立ちがそのまま刺々しい言葉になる。助けておいて貰って、こんな事しか言えない自分に嫌悪感が湧いてきた。
「最近は寝不足に見えた。……なにか、無理してないか」
「……してないわよ」
「そうか」
ライは特に気分を害した様子もなく、缶の紅茶を一定の間隔で飲んでいた。背を向けられているため、その表情は分からない。
「あなたも疲れてるんじゃない?」
ライが男子生徒達から疎まれているのは知っている。直接的な嫌がらせこそ無いが、ストレスフルな毎日を送っているはずだ。自分と話したりすれば、それはより苛烈になる。
その事は分かっていたが、カレンはライとの関係をやめなかった。さっきのように迷惑をかけてまで続けている。
嫌気が差しているのではないか。世話になったからという義務感から付き合いを続けているのではないか。
ふと、そう思った。
「そうだな。疲れている」
尋ねておきながら肯定の言葉は予想外だった。
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