877: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/11/15(日) 23:56:52.78 ID:dxIhcDNDO
「どこに行ってたの?」
最近は食事している所をじっくりと見られる事が多い。照れ隠しに横目で睨みながら、カレンは尋ねた。
「猫好きの知人がいてな。道を案内していた」
「……そう」
ぶっきらぼうに答える。別に彼が悪いわけではないのだが、どこか釈然としなかった。
「前から思っていたんだが、君は日本人への差別が無いんだな」
「……そんなの当たり前じゃない。彼らは悪い事なんて何もしていないんだから」
「衣服を汚された」
「子供のやったことよ。別に悪意があったわけじゃないし、不注意だったのは私も同じだもの。そこに日本人もブリタニア人もないわ」
「そうだな」
「……あなたもそうね。偏見や先入観が無い」
「記憶喪失だからだろう。それに、スザクには世話になっている」
ライの言葉は淡々としていた。世話になっている人が日本人だから、差別はしない。簡単な理屈だ。装飾も何も無い、一種の誠実さが窺える。
「ああいう事は良くあるのか」
最近はやけに話しかけてくる。
「……さあね。覚えてないわ」
「だが、疲れているだろう」
1002Res/860.00 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。