92:名無しNIPPER[saga]
2015/06/18(木) 22:21:29.90 ID:0bD55o1DO
月の綺麗な夜だった。少女はレジスタンス時代からの愛機である紅い<無頼>を駆り、ゲットーの闇の中を突き進んでいた。
パトロール隊に意味も無い奇襲をかけたテログループの鎮圧。それが表向きの任務内容だったが、実際は仲間が他の区域で行う作戦の陽動である。
ゲットーに住むイレヴン──日本人を巻き込み始まった戦闘。住処となっていた廃墟はことごとく破壊され、身を寄せ合う事でなんとか生きていた住民達は、血と肉の染みに変わった。老若男女関係なく、等しく一方的に降り注ぐ死の雨。
怒り狂った少女の<無頼>は挨拶代わりに30o砲弾をテログループの<グラスゴー>に叩き込む。
日本人の面汚しめ。やって良い事と悪い事の区別もつかないのか。そう思いながら、コックピットを狙い撃ちにした。パイロットは死んだだろう。生きている筈がなかった。
パトロール隊の白い<グラスゴー>も同じように全滅させた。貴様らも同罪だ。トリガーを引く指に迷いは無く、敵を見る瞳には、怒りと憎悪しかなかった。
近隣住民を避難させたところで、敵の増援が到着した。最新鋭機の<サザーランド>一機と<グラスゴー>が三機。地形を利用して、まずは厄介な<サザーランド>を撃破した。
ブリタニア軍のパイロットは専門の訓練を受けているだけあって、練度が高い。しかしながら、裕福で何不自由ない暮らしをしていたためか、突発的な事態に弱い節があった。
奇襲の動揺から立ち直れないまま、二機の<グラスゴー>は蜂の巣にされ、命乞いをしてきた最後の一機もスタントンファでトドメを刺された。脱出装置が働いていたので、死人は出ていないだろう。
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