939: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/11/26(木) 22:13:42.68 ID:w5GHjmWDO
「……ふう」
今度はミスをしないよう気を張り直す。正直、敵と戦っている時より必死だった。なにより恐ろしいのは自分自身ということか。
そんなことを考えながら、ライが現場に到着すると、そこにはバラバラにされた二騎の<無頼>と指揮管制機能を備えた装甲車、それと傷一つ無い<サザーランド>が仁王立ちしていた。
間に合わなかったということだ。ライはうなだれた。
「今日はどうだった?」
<特派>からの帰り道、スザクがそう言った。仕事終わりの開放感に満たされた顔だ。
「そうだな……戦い易かった。君の戦闘機動は独創的で、参考になる」
スザクとライの<サザーランド>は一五分間の戦いで<無頼>を一二騎、戦闘ヘリを六機、装甲車を九輌撃破していた。これは本来なら勲章をいくつか貰えるような大戦果だ。
「僕もだよ。君の状況判断力は凄い。敵がどう動くか予測して、一番効果的な指揮が取れる。背後を心配する必要が無くなって、目の前が開けるような感覚は新鮮だった」
「そうか。それは良かった」
スザクからも役に立つと思われているようで良かった。自身の有用性を認めてもらえるのは、ライにとってなにより有り難いことだった。
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