944: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/11/26(木) 22:19:48.84 ID:w5GHjmWDO
生徒会のメンバーやナナリーはライの無表情に隠されている内心を良く看破するようになって来ている。表情が豊かになるなどの変化があったわけではなく、単純に周囲の人の観察眼が優れているだけだ。
「君も知っていると思うけど、ああいう事は日常茶飯事なんだ。……本当に、毎日のようにある」
「……そうだな」
以前、公園でブリタニア軍人が暴れているのを見た事がある。昨日は同じ公園でカレンがトラブルに巻き込まれた。
日本人とブリタニア人。このエリア11において、なにより高く、絶対的な人種の壁。戦勝国と敗戦国という言葉が生み出す谷よりも深い溝。
ライの隣にいる少年には、この租界がどう見えているのだろうか。彼の黒い瞳には、かつては日本と呼ばれたこの土地が、どう映っているのだろうか。
難しい話だと思った。ルルーシュと話した時は分かったような口を利いたが、実情を知らない、分からないライが言っていい言葉ではなかったのかもしれない。
ライは隣のスザクを見る。彼と話すようになって一か月ほどだが、この少年がブリタニア人に対する怒りや憎しみといった感情を見せることは全く無かった。
1002Res/860.00 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。