過去ログ - モバP「知り合いの誰か」
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12:名無しNIPPER[saga]
2015/06/28(日) 14:40:24.49 ID:u2/mmsTd0
裕美「あはは! Pさんったらほっぺにソース付いてるよ、ほら、屈んで?」

P「お、おう、すまない……しかし、良かったのか? 久しぶりに地元の友達と遊ぶっていうのもあっただろうに」

裕美「うーん、それも考えたんだけど――でも、二人とも浴衣で、一緒にお祭り――その夢の方が大事だったから」

P「ご実家に挨拶にあがったら用意してあるんだもんな――少し驚いたよ」

裕美「思い付いてから、急いでお母さんに頼んだものだから、高級品じゃないけどね」

P「いやいや――というかそれも含めて出発前、あんな話を切り出したんだな。『最終日は実家に寄って』って」

裕美「お祭りが終わってから、Pさんだけホテルに戻るのももったいないし――私のわがままだってことは分かってるけど、でも」

P「まあ、地元に戻る時間も滅多に取れないしな。機会があったら出来るだけ挨拶したいし、ちょうど良かったよ」

裕美「ふふっ、浴衣を着てもやっぱり真面目だね、Pさんは」

P「裕美を預かっている以上はな。でも、裕美の言ってたことも叶えてやりたいって思って――いや、違うな」

裕美「?」

P「――俺も、裕美と浴衣で、一緒に浴衣でお祭りに行きたかったよ」

裕美「わぁ……嬉しいっ!」ギュー

P「お、おいおい」

裕美「お面被ってるから大丈夫だよ。それに、私がこんなところにいるなんて誰も思わないって」

P「仕方ない――『迷子にならないように』、な」

裕美「むっ、そういう子ども扱い、しちゃう?」ニコォ…

P(お面の内側からでっけえ気を感じる)

裕美「……ふふっ! Pさんってば、なんだかおじさんみたいだね」

P「ははっ、裕美に比べればおじさんだな」

裕美「――そう、だね、歳、離れてるもんね。二人並んで歩いても――」

P「裕美?」

裕美「――私ね、アイドルになる前、ここで暮らしてた頃は、お祭りに男の子と一緒に行くことなんてないって思ってた。私、自分に自信がなかったから」

裕美「でも、変わるんだね、変われたんだね。自信がないからダメ、じゃなくて、自信を持てるようになりたいって、今ならそう思えるの」

裕美「きっかけはアイドルだけど、今はひとりの女の子として――あ、あなたの隣にいたいの。今日だけじゃなくて、ずっと、この先も……」


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