過去ログ - みく「死の港町にて」【モバマス×メタルマックス3】
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12: ◆Freege5emM[saga]
2015/06/20(土) 18:51:24.91 ID:0IETcNsfo


●02-01

「――危ない!」

どこからか浴びせられた若い女の怒声に、みくが顔を上げると、
その体はMBT77のキューポラから跳ね飛ばされ、路上に転げ落ちた。

「みくっ!」

晶葉に名前を呼ばれた。奇妙な心地がした。
晶葉の叫び声が、妙に遠い。

みくが反射的に声のする方――上を向くと、何か固く軽いものがみくの額にぶつかって、
カランカランと路上に転がった。

それは晶葉愛用の、赤縁アンダーリムの眼鏡だった。


親方が引きずり込まれたさらに隣のマンホールから別の白く太い触手が伸びて、
コンテナよりも更に高く晶葉を釣り上げていた。

「晶葉チャン!」
「下がって!」

ビンタのような至近からの怒声。
続いて、みくの鼻を横手から強烈なオキシドバレットの刺激臭が襲う。
晶葉を捕らえていた触手が根本から痙攣し、掴みが浅かった晶葉の体が落下した。



「あんたは――」

パン、と気の抜けた炸裂音がして、圧縮強酸を仕込んだ特殊弾丸から飛沫が飛び散り、
余波に巻き込まれたみくは、肌を刺す痛みに弾かれ路上を転がる。

それを尻目に、デザートブラウンのセミロングを一つ結びにした若い女が、
触手にニトロビール――点火装置付き強化火炎瓶――を3本まとめて投げつけた。
白くぬらつく触手の表面に、薄い炎が這いまわる。

触手は苦悶しながら、纏わりつく炎をプエルト・モリの地表になすりつけ、
手入れの荒れたアスファルトをえぐってカケラをふっ飛ばす。
アスファルト片の突風をしたたか食らい、コンテナに歪な凹みが穿たれる。



「ぼうっとしてないで!」

刺激臭で視界にちらちらと星が散っているのを振り払い、みくがヨタヨタと立ち上がる。
このふざけた状況に対して、ようやく怒りらしき衝動が沸き上がってきた。

「……いったい何なのにゃ、この有様っ!」





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