過去ログ - みく「死の港町にて」【モバマス×メタルマックス3】
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15: ◆Freege5emM[saga]
2015/06/20(土) 18:56:25.80 ID:0IETcNsfo


●02-04


みくは、気絶したままの晶葉を倉庫兼作業場のささやかな休憩室に押し込むと、
晶葉の運搬を手伝ってくれた美優に飲み物を渡した。

「ハッピードリンクにゃ。酒はカストリナチヤすらないにゃ。勘弁するにゃ」
「ハッピー? アヤシイ響きね、大丈夫なのかしら」
「砂糖水よりマシかもしれない、程度のシロモノにゃ」

作業場の同業者にも、みくは親方の死を報告した。
同業者たちは騒然となった。マユラー対策を検討する会合の帰りだったらしい。



「町衆がこの分じゃ、みくたちもしばらく商売あがったりだにゃ」
「いっそプエルト・モリを捨てて、別の街に行ってみる?」
「考えておくにゃ。でも、ハンターオフィスの繁盛具合を見る限り、どこも大差無さそうだにゃ」
「……そうね」

美優はハッピードリンクの缶を開けて、軽く口に含んだ。
合成甘味料の鋭角的な甘みが強すぎて、却って喉の奥を苦々しく感じさせる。



「ところで、あなた。あの銃はどうしたの?」
「……銃?」
「ほら、マユラーの触手を追っ払った時の、4点バースト射撃なんて珍しい銃」

みくは、ネコババした銃のことを空惚けようとしたが、
ソルジャーである美優の目は、みくの射撃をしっかりと覚えていた。

「私は銃に少し自身あるけれど、4点バーストの銃なんて見間違いかと思ったわ。
 しかもバーストでありながら、あなたみたいな素人射撃でモンスターを怯ませる火力。破格だわ」
「シロートで悪かった、にゃ」

美優の目つきが変わったのを見て、みくは触手に銃で抵抗したことを後悔した。



「……マグナムガデス」
「銃弾の女神(マグナムガデス)って何のことにゃ?」
「あなたの持ってる銃の名前よ。幻の銃として、有名なの」

美優の目は、みくの懐に包まれ、彼女の体温を吸っているであろう銃に向けられている。

「それ、譲ってもらえないかしら?」
「仮に譲ったとしたら、おねーさん、みくは何か見返りがあるのかにゃ」
「あのマユラーを討伐してあげるわ」




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