過去ログ - 男「売られてた奴隷にガチ惚れして衝動買いしてしまった」2
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899:名無しNIPPER
2015/07/08(水) 00:53:11.94 ID:6GRPQRVl0

大男「……………」

息絶え、骸となった男を眺めながら巨躯の男は思う。

意思の強さで、自分は負けていた。

当然だろう、守る物があったこの男と、ただ己の為だけに漫然と生きているだけの自分では肉体の強さはともかく、魂と呼ばれるものに強さなどありはしないのだ、それを思い知るには良い機会だったのかもしれない。

大男「……だが、馬鹿な男だ……結局何も出来ずに死んだだけだ」

無駄死にだ。それは変わらない、変わらないが……巨躯の男にはそれを認めるのは更なる敗北だと感じてしまう所があった。

大男「……………それに……」


どうやら本当に時間切れのようだった。

丘の中腹辺りから辺りを見回すと、数千という規模の軍隊が此方へ向かっているのが確認出来た。

国王が軍隊を動かす等とは聞いていない、それに今は北への派兵のためにそちらへ軍隊は集結させている筈なのだ、こんな西の外れにあの規模の軍隊を寄越す余裕などある筈がなかった。

大男「………反乱軍か、それとも西か南からの侵略部隊か………どちらにせよ長居は無用、主を連れて逃げるのを考慮すると余計な荷物は捨てるべきだな」

そう呟いて、抱えていた少女を地面へと寝かし付ける、この男の亡骸の隣に捨てておけば仲間がどちらも見つけるだろう。

大男「………あれはこの男がここへ来たのを考慮すれば既に裏切ったか殺されたのか……まぁ、一度捨てたのだからどうでも良い」

そして巨躯の男はその場を後にする。

何も失う物の無い戦士は、僅かな心の凝りを自覚しながら、あるべき場所へと還って行った。

………………


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