過去ログ - 電「待っててくれて、ありがとう」
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4:名無しNIPPER[saga]
2015/06/15(月) 00:00:26.38 ID:pviwqZr60


私が司令官さんが出会ったのは、13歳のときでした。
艦娘として改造され、まだ未熟ながらも戦況が厳しいという理由で前線へ送られ、大破して鎮守府に戻った私。

疲弊して帰投し、何もかも分からず衰弱していた私の前に、司令官さんは現れました。
「何をしてる!? 大破しているじゃないか! 入渠しろ入渠! 全く上は何を考えているんだ!」
そう言って彼は私の腕を取り、無理矢理にでも電を治療をさせてくれたのです。


以降司令官さんは上層部へ直談判し、未熟な私を秘書官にすると申し出てくれました。
幼かった電を心配してなのか分かりませんが、電はとっても嬉しかったです。
肉体を改造され戦う体になったのはいいけれど、『平和のために何もできない』のは、嫌だったから。


そこから、司令官さんと私の生活は始まりました。
司令官さん自身も、司令として着任したばかりだったらしく
「お前を引き取ったのはいいが、正直艦娘の扱いとか戦術は分からん。オレは今まで前線で深海棲艦と戦っていたからな。お互い未熟だが、頑張っていこう」
と言ってくれました。


「……ふふっ」


昔を思い出した私は、司令官さんの思い切った行動に、今更ながら笑ってしまいました。


「あはは。どうしたのよ電、突然笑って」


雷ちゃんは八重歯を見せながら、楽しそうに私に話してくれます。


「……ううん。ちょっと、司令官さんのことを思い出していたのです」


雷ちゃんはキョトンとした顔を見せ、暁ちゃん達と顔を合わせます。
まるで、電が変なことを言ったかのように。


「電は変わらないね。まだ、ずっと、司令官を好きなのかい?」


と聞くのは、響ちゃん。
私が司令官さんを、好き……。
確かに電は、ずっと司令官さんの秘書官をしていたけれど……。
好きという感情というか、幼い子が大人びた先輩に憧れる感情というか。

18という歳になって電もそれなりに成長しました。
だから、今こそ分かるのです。

私が当時姉妹に話していた司令官さんへの気持ちは、憧れ。
恋(こい)、愛(あい)、といった色恋の感情ではないのです。

それに、司令官さんには、加賀さんというお似合いな秘書官がおられました。
電の後、ずっと司令官さんの秘書官を行っていた偉大な正規空母。

あのお二人がどうなっているか分かりませんが、上手くいってくれればいいなと思っているのです。




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