過去ログ - 時雨「ねえ、君にとって幸せって何だい?」山城「——」
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◆ngCxH3SH2s
[sage saga]
2015/06/17(水) 16:26:25.90 ID:R8aBRaVP0
山城(提督と私が退役してから数十年の時が流れた)
山城(相変わらず深海棲艦は少ないながらも発生し、海路を脅かしているらしい)
山城(私達はどこかの鎮守府で轟沈のニュースがあるたびに涙し、ただ海の平和を願った)
山城(そして私達もついに)
——提督の私室——
提督「なあ——山城、死ぬのは怖いか?」
山城(隣の布団で眠る彼が私に問いかける。布団は違っても、手を伸ばせば届く距離)
山城「いいえ、ちっとも」
山城(私は微笑み。自分の手のひらを見る。もうすっかりよぼよぼのおばあちゃんの手。
でも立派に命を繋ぎ、愛するものを守ってきた誇らしい手)
提督「看取られながらというのもいいが、最後は静かに逝きたいものなあ……」
山城(私も彼のその意見に賛成で、最後は長く住んだこの部屋で終えると決めていた。
子供達には反対もされたが最後に目蓋に映る光景が、
悲しみに暮れる子供達だなんてまっぴらご免だった。それに最後ぐらい……イチャイチャしたい)
提督「まだ……起きてる?」
山城「起きてますよ」
山城(そう言って伸ばされた彼の手をぎゅっと握る。傷だらけの骨張った手。
自分の半身と言えるほど、ずうっと一緒に居た手)
提督「俺は……そろそろ…眠いかな」
山城「どうぞ、お先に。あなたの寝顔は私の楽しみなの」
提督「そっかあ……そりゃあ、軍役中は悪い事をしたな」
山城「何を今更……いいんですよ、そんなこと」
提督「なあ、山城……」
山城「何ですか?」
提督「俺は、幸せだった……愛してるよ」
山城(彼の手から力が抜ける。涙がこみ上げてきそうになるが、堪えて——微笑む)
山城「はい、あなたは幸せでした。だから……もう、おやすみなさい」
山城(そう言って私も目を閉じる。はあ……最後に見たのが暗闇でも悲しみでもなく)
——愛する人の笑顔で、良かった。
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