過去ログ - 真姫「にこちゃんと夜空に架かる虹を見るわ」
↓
1-
覧
板
20
1
:
名無しNIPPER
[saga]
2015/06/17(水) 20:27:14.51 ID:XL12Gej+0
・にこまき
・未来設定、鬱展開、地の文、エロ表現あり注意
SSWiki :
ss.vip2ch.com
2
:
名無しNIPPER
[saga]
2015/06/17(水) 20:29:44.85 ID:XL12Gej+0
にこちゃんが倒れた──その報を聞いたのは、彼女がようやくプロのアイドルとして歩み出そうとしていた矢先のことだった。
地方の公民館の、ほとんど手作りのようなささやかなステージ──それでも観客の入りは6−7割といったところ──の上でのパフォーマンス中、彼女は突然崩れ落ちるように舞台の上に倒れ、ソロライブは急遽中止。救急車が要請され、近くの総合病院へと搬送された。
芸能ニュースの移り変わりは激しい。直後こそかつて有名だった元スクールアイドルグループの一員の身に降りかかった悲劇としてメディアを賑わせたが、すぐに人々の記憶からも消え、にこちゃんのアイドルとしての足跡もかき消されていった。
以下略
3
:
名無しNIPPER
[saga]
2015/06/17(水) 20:31:38.76 ID:XL12Gej+0
彼女が高校を卒業した時、μ'sの名はラブライブ優勝グループとして世間に鳴り響いていた。いくつもの大手事務所からのオファーにあったように、その名前を存分に利用して売り込んでいけば、瞬く間にスターダムを駆け上がるのも夢物語ではないと思わせるほどに。
でも、にこちゃんはそれを良しとしなかった。
「私はプロのアイドル、矢澤にことしてゼロからスタートしたいの」
なんてことを口では言っていたが、要するに彼女はμ'sという存在を愛しすぎていたのだろう、私たちと同じように。かつて個人用ブログで勝手に宣言していたようには、通過点、踏み台としてμ'sの名を利用することができなかったのだ。
以下略
4
:
名無しNIPPER
[saga]
2015/06/17(水) 20:33:25.00 ID:XL12Gej+0
その毎日が過酷だ──などと、彼女は一言も口にしたことがなかった。
たまに街角のチェーンのカフェで慌ただしく会うとき、彼女はとりつかれたように輝かしい未来や華やかな芸能生活への夢を語った。思えば、私が相槌や皮肉を差し挟む間も無いほどのあの勢いは、まるで自分に言い聞かせるために語っているようではなかったか。
やっとそれを悟ったのが彼女が倒れてからだというのだから笑える。
以下略
5
:
名無しNIPPER
[saga]
2015/06/17(水) 20:34:50.61 ID:XL12Gej+0
おそらくその全てが原因だったのだろう。
過度の身体活動とストレス、貧弱な食生活。
そして先天的な、1万人に1人以下という確率で彼女の体を蝕んでいた血管の疾患。
「脳梗塞……ですか?」
以下略
6
:
名無しNIPPER
[saga]
2015/06/17(水) 20:35:59.22 ID:XL12Gej+0
◇◇◇
マンションの自室の扉を開けて中に入ると、もう日は落ちたというのに電灯はつけられておらず、わずかに漏れる光と音を頼りに私はリビングに向かった。
靴は脱がない。この部屋は全ての段差が取り払われていて、そもそも靴を脱ぐ玄関というスペースが存在しない。
以下略
103Res/68.87 KB
↑[8]
前[4]
次[6]
板[3]
1-[1]
l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。
過去ログ - 真姫「にこちゃんと夜空に架かる虹を見るわ」 -SS速報VIP http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/kako/1434540424/
VIPサービス増築中!
携帯うpろだ
|
隙間うpろだ
Powered By
VIPservice