過去ログ - 真姫「にこちゃんと夜空に架かる虹を見るわ」
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47:名無しNIPPER[saga]
2015/06/17(水) 21:55:40.38 ID:Uv2wZz1J0
「……以上を総合して判断すると、このケースでは直接血行再建術による脳機能の回復が期待できると推測されます」

そう締めくくると、居並ぶ医局員から次々に批判と非難が続出した。

発症から数年が経ってからの機能回復は前例がない。
以下略



48:名無しNIPPER[saga]
2015/06/17(水) 21:56:57.21 ID:Uv2wZz1J0
この機会ににこちゃんの未来の全てがかかっているのだ。
これ以上時期を逸すれば、手術による回復効果は低くなり、合併症の危険は高くなっていくだろう。
絶対に負けるわけにはいかなかった。

「責任は全部私が取ります……彼女にとっては唯一のチャンスなんです、やらせてください!」
以下略



49:名無しNIPPER[saga]
2015/06/17(水) 21:58:16.00 ID:Uv2wZz1J0
医局の承認という最初の手ごわい関門を突破した私だが、その後はもっと大変だった。

まだ研修医のうちに手術から離れてしまった私が、にこちゃんの手術から周術期の治療まで全てを自分1人で担当し成功させなければならないのだ。
今のままの技量で通用するはずがない。
何が何でも、短い期間の間に自分を鍛え上げる必要があった。
以下略



50:名無しNIPPER[saga]
2015/06/17(水) 21:59:24.20 ID:Uv2wZz1J0
手術室では、全ての準備が完了していた。

滅菌ドレープに包まれ、麻酔による深い眠りの中にあるにこちゃんを確認し、私は自分に問い掛けるように目を閉じる。

──覚悟はできたか?
以下略



51:名無しNIPPER[saga]
2015/06/17(水) 22:00:21.57 ID:Uv2wZz1J0
少なくとも、にこちゃんの覚悟はとっくに固まっている。

入院してから最終点検の検査を受けている間、にこちゃんは始終落ち着いていた。
今朝など病室に迎えに来た私の術衣とマスク姿がおかしいのか、指さして笑う余裕すらあった。
よっぽど手術の準備で短く刈られたあなたの頭の方が面白いわよと言ってやりたかったが、医者としての情けで黙っておいてあげた。
以下略



52:名無しNIPPER
2015/06/17(水) 22:01:48.41 ID:dOB/C+nfO
ええぞ


53:名無しNIPPER[sage]
2015/06/17(水) 22:03:34.08 ID:bE1K2fE/o
見てるで


54:名無しNIPPER[saga]
2015/06/17(水) 22:03:42.04 ID:Uv2wZz1J0
それとは対照的に賑やかだったのが、付き添いの仲間たちだ。

「ファイトだよっ、にこちゃん!」

「ご武運を祈っています」
以下略



55:名無しNIPPER[saga]
2015/06/17(水) 22:05:19.26 ID:Uv2wZz1J0
古来──西洋科学に膝を屈して医学と名を変える前──医術はアートだったという。

ならば──7人もの芸術の女神たちが騒がしく見守る中で、失敗なんてできるはずがないわよね。

「……西木野先生?」
以下略



56:名無しNIPPER[saga]
2015/06/17(水) 22:13:13.02 ID:Uv2wZz1J0
結局その手術は、私の医者としての最後の仕事となる。

そして、にこちゃんがアイドルとして復帰することは二度となかった。


以下略



57:名無しNIPPER[saga]
2015/06/17(水) 22:18:27.14 ID:pPEPTbdF0
「き……きもちわるいぃ!?ふざけんじゃないわよ、真姫ちゃんはもうオバサンになりかけてるかもしれないけど、宇宙ナンバーワンアイドルのニコニーはこれからもずーっと永遠の17歳で立派に通用するんだから!」

な、な、なんですって!?この知性と美貌を誇る天下の西木野真姫に向かって、よりによって、オ、オバ、オバ……!
いやいや、落ち着け私。これじゃあまたにこちゃんのペース、高校生の時から全く進歩がないじゃないの。

以下略



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