過去ログ - 真姫「にこちゃんと夜空に架かる虹を見るわ」
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57:名無しNIPPER[saga]
2015/06/17(水) 22:18:27.14 ID:pPEPTbdF0
「き……きもちわるいぃ!?ふざけんじゃないわよ、真姫ちゃんはもうオバサンになりかけてるかもしれないけど、宇宙ナンバーワンアイドルのニコニーはこれからもずーっと永遠の17歳で立派に通用するんだから!」

な、な、なんですって!?この知性と美貌を誇る天下の西木野真姫に向かって、よりによって、オ、オバ、オバ……!
いやいや、落ち着け私。これじゃあまたにこちゃんのペース、高校生の時から全く進歩がないじゃないの。

以下略



58:名無しNIPPER[saga]
2015/06/17(水) 22:21:15.67 ID:pPEPTbdF0
にこちゃんの回復は周りの医療関係者が仰天するほどめざましいものだった。

わずか1カ月程度の入院の間ににこちゃんは言語能力をほとんど完全に取り戻し、無粋な短下肢装具こそまだ外れないものの杖無しで歩行し、身の回りのことを全て自立でこなすほどになった。

カンファレンスの術後経過報告の時、教授は冷淡に一度頷いただけで次の症例の発表を促した。
以下略



59:名無しNIPPER[saga]
2015/06/17(水) 22:25:46.67 ID:pPEPTbdF0
とはいえ、アイドルならぬ歌手業に復帰するにはあまりにもブランクがあり過ぎる。

最初はにこちゃんが完全に自立できるまでサポートするだけのつもりが、作曲や作詞を頼まれ、キーボードとピアノを弾き、バックバンドと交渉し、ネットの配信を見て声を掛けてきたCM会社とやり取りし……とやっているうちに、いつの間にかにこちゃんとの二人組のユニットに仕立て上げられてしまっていた。

一方で、長いブランクの間に得たものもあった。
以下略



60:名無しNIPPER[saga]
2015/06/17(水) 22:27:26.56 ID:pPEPTbdF0
「にこちゃん、疲れてない?」

「何言ってるの、このニコニーは……」

「はいはい、宇宙ナンバーワンアイドル、でしょ。さっさと始めるわよ」
以下略



61:名無しNIPPER[saga]
2015/06/17(水) 22:28:51.52 ID:pPEPTbdF0
◇◇◇

「じゃあ全員揃ったところで、部長から一言!」

希が例によって、突然にこちゃんに挨拶を振る。
以下略



62:名無しNIPPER[saga]
2015/06/17(水) 22:30:32.12 ID:pPEPTbdF0
「う……うるっさいわね。真姫ちゃんはにこの下僕なんだから、にこにご奉仕するのは当然なのよ!」

ぶはっ、と私は思わず口に含んでいた缶チューハイを吹き出してしまう。
ここには私の両親もいるんだから、滅多なことは言わないでくれる!?

以下略



63:名無しNIPPER[saga]
2015/06/17(水) 22:34:07.45 ID:pPEPTbdF0
「ちょっとにこちゃん!何が下僕よ、変な事イワナイデ!」

明らかに調子に乗っている彼女の裾を引っ張ると、にこちゃんはじろりと視線を向けてきた。

「あれれー、真姫ちゃんったらそんなこと言っちゃっていいのかなぁ?」
以下略



64:名無しNIPPER[saga]
2015/06/17(水) 22:37:13.61 ID:pPEPTbdF0
「ところでさぁ、海未ちゃんこんな夜に出てきちゃってお家の方は大丈夫なの?」

大人には程よく酔いが回り、未成年にはジュースや穂むら特製の和菓子が振舞われるなか、相変わらず空気の読めない穂乃果が海未に尋ねる。

「ええ、問題ありません。私離婚しましたから」
以下略



65:名無しNIPPER[saga]
2015/06/17(水) 22:45:00.04 ID:pPEPTbdF0
「あ、あはは……それはいいんだけどー、穂乃果ボランティアのお仕事だから収入無くって……最近は不況で寄付金も滞りがちで……」

前よりも日焼けして身体も引き締まり、髪も伸びた穂乃果だが、幼なじみに迫られてだらだらと冷や汗をかく様子は昔と全然変わっていない。
ていうか、発言がいちいち世知辛いわね……

以下略



66:名無しNIPPER[saga]
2015/06/17(水) 22:47:45.62 ID:pPEPTbdF0
「うひゃひゃひゃひゃひゃ、く、くすぐった……にゃははは、そこはダメにゃー!」

凛は花陽の二人の幼い娘にまとわりつかれ、レジャーシートをぐしゃぐしゃにしながら転げまわっていた。
さすが花陽の遺伝子を受け継ぐだけあって、凛への懐きっぷりが半端じゃない。

以下略



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