193: ◆oP/KARENHOJO[saga]
2015/06/27(土) 17:36:35.94 ID:G0PCMmbKo
これまで何回もステージを演ってきたけど、毎度々々この統率力・順応力には目を見張るものがある。
こちら側が舌を巻いちゃうよね……
呆気に取られているうちに、ホワイトノイズで曲が終わり、ライトが絞られた。
194: ◆oP/KARENHOJO[saga]
2015/06/27(土) 17:37:16.21 ID:G0PCMmbKo
「みんな、今日はトライアドプリムスのライブに来てくれてありがとう」
次の曲は何かな、と期待に静まっていた暗闇の中へ、アタシの声が響く。
195: ◆oP/KARENHOJO[saga]
2015/06/27(土) 17:38:11.59 ID:G0PCMmbKo
「みんな、心配かけてゴメンね! 既に知ってると思うけど、アタシ、事故に遭っちゃったの」
ファンのみんなに心を込めて謝り、深々とお辞儀をする。
そして幾つかの事実をぼかしつつ、見通しを説明した。
196: ◆oP/KARENHOJO[saga]
2015/06/27(土) 17:39:08.29 ID:G0PCMmbKo
「――きっと、きっと復活して……さらに輝く姿を見せるって、誓うからね!」
最後は少し涙声になりながら、強く云い切った。
そんなアタシに、ファンが励ましの言葉を掛けてくれる。
197: ◆oP/KARENHOJO[saga]
2015/06/27(土) 17:39:50.79 ID:G0PCMmbKo
凛と奈緒がステージへ出てきて、小梅ちゃんとアタシを挟むように並ぶ。
「これからも、トライアドプリムスと北条加蓮を、宜しくお願いします!」
凛、奈緒とともに、ありったけの想いを、この一言にぶつけた。
198: ◆oP/KARENHOJO[saga]
2015/06/27(土) 17:40:47.04 ID:G0PCMmbKo
奈緒が、一歩前に脚を出した。
「よし、ここから特別プログラムだ!」
そして凛も同様に踏み出す。
199: ◆oP/KARENHOJO[saga]
2015/06/27(土) 17:42:10.37 ID:G0PCMmbKo
――
ライブは大成功と云って差し支えなかった。
200: ◆oP/KARENHOJO[saga]
2015/06/27(土) 17:43:21.08 ID:G0PCMmbKo
撤収作業やら何やらを済ませ、夜の帳が下りる時分。
あれからアタシたちは、全員で幹線道路沿いの事故現場に来ている。
通行車両の多さは云わずもがな、道に面してセレクトショップやレストランが並び、人通りも相応。
201: ◆oP/KARENHOJO[saga]
2015/06/27(土) 17:44:25.36 ID:G0PCMmbKo
地面には砕け散ったガラスやプラスチックの片し切れない残滓と、うっすら血の跡が残っていて――
これらが消えるまではもうしばらくかかるかも知れない。
「うん、ユーレイとしてのアタシの記憶、まさにここから始まってるね」
202: ◆oP/KARENHOJO[saga]
2015/06/27(土) 17:45:33.34 ID:G0PCMmbKo
「加蓮、大丈夫?」
凛が心配そうにアタシを覗き込んだ。
トラウマでPTSDなど発症しはしないかと気を揉んでくれているみたい。
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