20:名無しNIPPER[saga]
2015/06/18(木) 23:08:08.77 ID:MUuaVWOfO
 ……あれ? 
  
 何も起こらない。 
  
 単に、ユーレイとしてのアタシが、自分の本体をすり抜けてふわふわ浮いているだけ。 
21:名無しNIPPER[saga]
2015/06/18(木) 23:09:16.36 ID:MUuaVWOfO
 え……これヤバくない……? 
  
 もし、ずっとユーレイのままでいなければならないとしたら…… 
  
 どうしよう、アタシ。 
22:名無しNIPPER[saga]
2015/06/18(木) 23:11:47.92 ID:MUuaVWOfO
  
 「プロデューサー!」 
  
 「状況はどうなってんだ!?」 
  
23:名無しNIPPER[saga]
2015/06/18(木) 23:12:48.54 ID:MUuaVWOfO
 でも、ポートレイトで披露していた可愛さはどこへやら、今は焦りの色しか見られない。 
  
 二人は、うなだれる男の人と、ドアに仰々しく書かれた『集中治療室』の文字を見て、絶望に顔を歪めた。 
  
 「そんな……まさか……」 
24:名無しNIPPER[saga]
2015/06/18(木) 23:13:37.43 ID:MUuaVWOfO
 「お前たち、まだブーブーエスで別件の収録が残っているだろう。社長に引率を頼んでおく。 
  ひとまずタクシーで局へすぐ向かってくれ。明日も早いから、終業後は直帰するんだ」 
  
 ショックを受けていながらも、監督者らしいスケジュールの把握ぶりでアイドル二人に指示を出す。 
  
25:名無しNIPPER[saga]
2015/06/18(木) 23:14:37.56 ID:MUuaVWOfO
 そんなわがままを、プロデューサーは強い調子でたしなめる。 
  
 「お前たちはアイドルだろう! プロだろう! カメラの向こうに、お前たちを待っている人々がいるんだ! 
  たとえ仲間が斃れようとも、仕事中は振り返らず前を向け!」 
  
26:名無しNIPPER[saga]
2015/06/18(木) 23:15:46.80 ID:MUuaVWOfO
 ギュッと苦しそうに目を閉じ、小さく頷いた彼女たちは、すぐさま回れ右をして駆け出して行った。 
  
 その悲壮な覚悟の顔は、同性のアタシから見てもキレイだった。 
  
 プロ根性ってすごい。自分も同じ立場であろうことを棚に上げて、アタシは感心している。 
27:名無しNIPPER[saga]
2015/06/18(木) 23:16:14.50 ID:MUuaVWOfO
 アタシは肩を落とし頭を垂れて、自らの腕をぎゅっと抱き締めた。 
  
 怖い。 
  
 自分は、これからどうなるんだろう。 
28:名無しNIPPER[saga]
2015/06/18(木) 23:16:50.36 ID:MUuaVWOfO
 自身の本体を無事見つけることができたんだから、ひとまず今は、それだけでもよしとしよう。 
  
 そう考えなきゃ、やっていけないよ。 
  
 本体と並ぶようにして、ベッドのマットレスへ倒れ込む。 
29:名無しNIPPER[sage !蒼_res]
2015/06/18(木) 23:17:30.77 ID:MUuaVWOfO
  
  
 ひとまずここまで 
  
   
30:名無しNIPPER[sage]
2015/06/18(木) 23:20:10.70 ID:6KcObcEy0
 これは1人の彼女のPとして期待せざるをえない 
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