過去ログ - 万里花を愛でるニセコイSS「ハナヨメ」
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20:名無しNIPPER
2015/06/20(土) 23:31:50.25 ID:EUGrH/Tp0
「あー、でな、結局パンフレットの写真撮影じゃなくなっちまったけどさ……」

これから言おうとしていることがとても「くさい」ことだという自覚があるだけに、踏ん切りがつかずに言葉に詰まってしまう。

だけど、照れてばかりもいられない。
楽はまっすぐな万里花の気持ちに、少しでも応えたかった。

「その、け、結婚式……やってみるか」

楽の言葉に万里花の顔も真っ赤に染まる。
これまでの話の流れからある程度は予想はしていたものの、面と向かって言われるのはやはり違う。

「……はい。そ、その、ふつつかものですが、よろしくお願いいたします……」

まるでプロポーズを受理した時のような万里花の返答に、楽も顔が熱くなるのを感じた。
「お、おう。それじゃ、始めるか……」

あらためて至近距離で見る万里花の花嫁姿。

長い髪は頭の後ろで結わえられ、まるで四枚の花弁を持つ可愛い花のようにくるりとループを描いている。
キラキラ輝く純白のドレスには、上気して赤く染まった万里花の肌が映えていた。

照れているようで、だけど幸せそうに。上目遣いでちょっとだけ微笑むその表情。

「……モデルのバイトをキャンセルして、あの式場の人たち、絶対損したよな」
「損? どうしてですか?」
「そ、そこいらのアイドルよりも、橘の方が可愛いと思う……からに決まってるだろ」
「ま、また、らっくんはそがん事を……」

不意を突かれて怯む万里花。

ありがとうございます、と照れながら答える顔は幸せそうで。
ずっとこんな表情でいさせてやりたい、という思いが湧き上がってくるのを楽は感じていた。

これが、ウエディングドレスの魔翌力なのだろうか。
だけど。

「……で、橘。結婚式って、何をすればいいんだ?」
結婚式に出席したことのない、楽の限界だった。


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