過去ログ - 万里花を愛でるニセコイSS「ハナヨメ」
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22:名無しNIPPER
2015/06/20(土) 23:33:52.38 ID:EUGrH/Tp0
祭壇の前にたどり着くと、牧師のセリフを万里花が請け負うなんとも奇妙な結婚式が始まった。

万里花の美声をたどたどしく楽が追うようにして賛美歌を歌い、万里花がすっかり覚えているという聖書の中の愛の教えを暗唱する。
突然妙な外国人訛りを交える万里花に楽が突っ込んだり、うっかりドレスの裾を踏んでしまった楽を万里花が叱ったり。
二人きりなのに、いつも以上の賑やかさで式が進んでいく。
以下略



23:名無しNIPPER
2015/06/20(土) 23:34:47.13 ID:EUGrH/Tp0
照れたように一度俯いた後、万里花は顔を上げて、決心をしたように続ける。


「……その健やかなるときも、病めるときも……富めるときも貧しきときも」

以下略



24:名無しNIPPER
2015/06/20(土) 23:36:05.80 ID:EUGrH/Tp0
「誓いの言葉の後は、結婚証書に署名をしたり指輪の交換をするのですが……今はどちらもありませんし、飛ばしてしまいましょうか」

「おっと待った。指輪ならあるぜ」
「えっ?」

以下略



25:名無しNIPPER
2015/06/20(土) 23:36:59.43 ID:EUGrH/Tp0
絡めた腕をするりとほどいて、万里花は身体を離すと、楽の顔を見上げながら言う。

「この結婚式も、もうすぐ終わりですわ」
「そ、そうなのか?」
「はい、あと残っているのは……」
以下略



26:名無しNIPPER
2015/06/20(土) 23:39:14.66 ID:EUGrH/Tp0
この気持ちになんという名前をつければいいのかはわからない。

だけど、楽は万里花を笑顔にしたいと、幸せにしたいと思っている自分に気付いていた。
だから。少し早いかもしれないけれど。

以下略



27:名無しNIPPER
2015/06/20(土) 23:40:27.18 ID:EUGrH/Tp0
「叶わない夢だと、どこがでそう、思っていました。でも……こうして楽様と二人、フリとはいえこんなに素敵な結婚式をして、それに楽様から……その、き、キスまで……」

照れる自分を励ますように、でもですね、と語気を強めて。


以下略



28:名無しNIPPER
2015/06/20(土) 23:41:39.26 ID:EUGrH/Tp0



「お、おはよう、千棘」

以下略



29:名無しNIPPER
2015/06/20(土) 23:42:20.16 ID:EUGrH/Tp0
「あっ、私がお送りした結婚指輪、ちゃんと身に着けてくださってますね、楽様」
「ちょ……!」

楽の左手の輝きを認めて、万里花が嬉しそうに頬を染めた。

以下略



30:名無しNIPPER
2015/06/20(土) 23:44:20.29 ID:EUGrH/Tp0
暴力の坩堝と化した教室の真ん中で、万里花は人差し指に残るかすかな感触を思い出しながら携帯電話を操作する。
画面をタッチして呼び出したのは一枚の写真。

とても幸せそうな顔で純白の花嫁衣装に身を包んで微笑む自分と、その隣で照れくさそうに、でもしっかりと自分の肩に手を回す想い人の姿。

以下略



31:名無しNIPPER
2015/06/20(土) 23:45:15.60 ID:EUGrH/Tp0
随分と長くなってしまいました。ひとまずこれで一段落。


32:名無しNIPPER[sage]
2015/06/21(日) 00:47:22.57 ID:JbfF9mIZO
気付くのが遅れた
おつー
これが原作であったならどれだけ嬉しいか


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