過去ログ - タイトルを書くと誰かがストーリーを書いてくれるスレ part3
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名無しNIPPER
[sage saga]
2016/03/05(土) 22:40:56.69 ID:PwWcmb62o
>>287
「あの日、この日、その日」
――あの日、僕はなけなしの勇気を振り絞って、彼女に告白した。
返ってきた言葉は、「私があなたを嫌いになるまでなら、付き合ってあげましょう」。
僕は、正直に言って、この上なく嬉しかった。少し高圧的で、含蓄のある気はしたが。
容姿端麗、頭脳明晰、温厚篤実……そんな女性が、無個性な僕と付き合ってくれるわけが無いと思っていた。
でも、本当に恋をしてしまった。仕方が無かった。
玉砕覚悟、当たって砕けろ……そう思って告白したのは、いい結果をもたらした。
――しかし、そう上手くはいかないものだ。
「別に私は、あなたのこと好きじゃないですよ?」
二人で話していると、突然そんな言葉が出てきた。一瞬、耳を疑う。
「だってあなた、平凡じゃないですか。この関係も、私が嫌いになるまでですから、そこのところは忘れないでくださいね?」
僕は何も言えず、ただ苦笑するだけだった。何せ、全て事実である。
――温厚篤実だと思っていたが、存外、冷淡な人だった。
それでも、僕は彼女を好きなままだった。この程度で嫌いになるほど、柔な好き方じゃなかった。
――この日、僕は彼女と歩いている。
「何ですか、そんなに変な顔をして」
彼女は、僕と腕を組んでいる。
「何故って? そんなの簡単です。周囲の人々に、私があなたを好きなように見せているんですよ」
「世間一般には、恋人同士は両思いなのでしょう? なら、こうやるのが普通では?」
必ずそう言うわけではないと思うが、意外と初心なのだろうか。
そう言うと、彼女は驚愕に目を見開き、すぐに僕から離れて、つんとした態度になった。
――頭脳明晰と思っていたが、存外抜けているところもあるようだった。
それでも、僕は彼女を好きなままだった。むしろ、もっと好きになってしまった。
――その日、僕は彼女の家でお茶を飲んでいた。
「美味しいですか? ふふ、それはよかった」
花のような笑みで、彼女は嬉しがる。見ているだけで、こちらが嬉しくなりそうだ。
「まあ、私が淹れたんですから美味しいに決まっていますよね。そうですよね」
――容姿端麗ではあるが、彼女は腹黒く傲慢なのかもしれない。
「……よかった、口に合って」
前言撤回。それでも可愛かった。僕はもっともっと彼女を好きになった。
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