29: ◆PQxO3wwU7c[saga]
2015/06/21(日) 22:46:51.85 ID:DXe+iex80
そして、昨年までと同じその日……
地響きを立て、行く手の木々や家々をなぎ倒しながら、悠然と八俣遠呂智が現れました。
その様子は、世の終わりとすら思われるほどです。
美希「一人ぐらい食べても、おなかいっぱいにならないんじゃないかな。あんなに大きいと」
雪歩「それを私に聞かれても……」
その巨体に見合うだけの八塩折之酒と於宇は用意できています。
果たして酒の匂いに誘われるまま、八俣遠呂智は八つ首を大桶に突っ込みました。
幸い、於宇が含まれていることに気付く様子はありません。
文字通り怒涛の勢いで毒酒が飲み下され、八つの大桶は瞬く間に空になりました。
いかに巨体とはいえ、酒も毒もとても強いものです。
櫛名田比売を探す間もなく、八俣遠呂智はすぐにもがき苦しみ始めました。
巨大な化け物が血反吐と怒号を吐き出しながらのたうち回る様は、壮絶としか表現しようのないものです。
それが一刻も続いたでしょうか。
次第に力を失い、八俣遠呂智は身じろぎひとつしなくなりました。
雪歩「終わった……のかな?」
美希「口に入って確かめてみる?」
雪歩「や、やだよ!」
美希「あはっ♪ もう終わったから大丈夫だよ」
雪歩「ふぁぁ……よかったぁ」
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