過去ログ - 雪風「雪風は、沈みませんから」
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159: ◆kquYBfBssLZl[saga]
2016/08/08(月) 08:25:07.95 ID:0WxfuqWMO
少々卑怯な気もするが、しかし、演習を申し込んできたのは向こうなのだ。
相手の主戦場での対戦ならば、当然こういった地の利も覚悟してのことだろう。

「(――来た)」

伊19は自然の波ではない、艦娘が航行する際の独特の波の動きを視界に捉える。
この周辺の海はそれほど透明度は高くないが、伊19にとっては慣れたものだった。
しかし伊19はその視界に収めた相手艦隊の波に、僅かな違和を覚える。

「(一、二、三、四……何回数えても五つしかないのね)」

金剛の報告によれば、相手艦隊には潜水艦はいない筈。
海面を滑る波は六対の筈だが、それがどうにも一つ足りないのだ。
更新が途絶えた少しの間に、大鳳の艦載機で轟沈判定にしたのだろうか。
首を傾げる伊19だが、状況がわからない以上、考えても仕方のないことだと割り切る。
相手は駆逐艦と軽巡がそれぞれ二人。
早めに一撃離脱の要領で魚雷をお見舞いしておかないと、ソナーで見つかる可能性がある。
爆雷は今のところ投射されていないので見つかっている可能性は低いが、それでも時間の問題だろう。
即断即決、伊19は相手艦隊へ向かって魚雷を構え、そして――




「きゃはっ☆」




――突然背筋を走る悪寒に、思わずその場で振り返る。
同時に口に何かを捻じ込まれ、前歯に激痛。
痛みと驚愕に目を見開き、そして見た。
鬼のように嗤う、軽巡の姿を。


〜〜



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