過去ログ - 雪風「雪風は、沈みませんから」
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149: ◆kquYBfBssLZl[saga]
2016/08/08(月) 08:19:21.12 ID:0WxfuqWMO
〜〜


五対の波が尾を引いて、海上を駆ける。
第二鎮守府の演習艦隊は、旗艦である軽巡洋艦・川内を先頭に、単縦陣の形で航行していた。
以下略



150: ◆kquYBfBssLZl[saga]
2016/08/08(月) 08:19:59.68 ID:0WxfuqWMO
そしてこれらは艦載機を操る艦娘が意識して制御しなければ、無秩序、無制限に流れ込んできてしまうのだ。
時速何百キロという速度で飛行する艦載機の触覚や聴覚は、生身に共有されれば自身を破壊する牙になりかねない。
触覚も、もし敵から攻撃された時の衝撃がそのまま共有されてしまえば、それは自身が弾丸に貫かれるのと同じことだ。
敵を破壊するために艦載機を飛ばすのに、自身を破壊してしまう要素ばかりが多い状態では意味が無い。
その為、空母達は戦闘となれば常に気を張り、感覚を研ぎ澄ませ、同時にそれらを全力で制限しなければならない。
以下略



151: ◆kquYBfBssLZl[saga]
2016/08/08(月) 08:20:45.08 ID:0WxfuqWMO
金剛が偵察機から得た情報を皆に告げる。
しかし、提督の指示を仰ぐ前に、金剛の前を航行する駆逐艦・雪風の一言で、全員が息を呑んだ。
そして、雪風の視線を追う。

「――艦攻!」
以下略



152: ◆kquYBfBssLZl[saga]
2016/08/08(月) 08:21:15.00 ID:0WxfuqWMO
第二鎮守府は他の鎮守府に比べて前線に配置されており、毎日出撃を繰り返しているため、演習の頻度は低い。
自ずと策を弄する相手とは縁遠くなり、搦め手に対する思考は疎かになる。
最初に気づいたのは二人――雪風と川内であった。
否、川内が動き出す方が、雪風よりも僅かに早い。

以下略



153: ◆kquYBfBssLZl[saga]
2016/08/08(月) 08:21:47.22 ID:0WxfuqWMO
それを開幕から叩き込んでくるとなると、相手の技量はどれほどのものか、想像するだけでも目が回りそうになる。
彼我の戦力差、技量の差を、初手からまざまざと見せつけられ、動揺しない程の確固たる自信が大鳳にはまだ無い。

「(余計なことは考えるな!)」

以下略



154: ◆kquYBfBssLZl[saga]
2016/08/08(月) 08:22:22.26 ID:0WxfuqWMO
海上での戦闘にあまりに不釣り合い、そして陸上での戦闘でも近代的とは決して言えないそれは、艦攻の胴体を斜め上から正確に貫いた。
瞬間、爆発。
胴体を貫通し、そして艦攻に取り付けられた雷装を同時に破壊し、投擲された苦無は見事、艦攻を撃墜せしめた。
羽黒は思わず、それが飛んできた方向を振り返る。
そこには我らが旗艦、川内が背を向けたまま機銃を正面に構え、しかし右腕だけは後ろに向かって振り抜いたような姿勢で立っていた。
以下略



155: ◆kquYBfBssLZl[saga]
2016/08/08(月) 08:22:57.96 ID:0WxfuqWMO
第一鎮守府では比較的新参の二人だが、短い付き合いの間にその翔鶴の人柄は把握しているようだった。
それもその筈、内地に位置する第一鎮守府は練度の高い面子が揃い、他の母港から申し込まれる演習の頻度も高い。
その中で散々見せつけられた翔鶴の圧倒的な技量と、それを振るうことを厭わない加虐的な嗜好。
自分の身でもってそれを体験したこともある二人は、敵の演習艦隊に対しても同情を禁じえない。
そして同時に、賞賛も感じていた。
以下略



156: ◆kquYBfBssLZl[saga]
2016/08/08(月) 08:23:29.73 ID:0WxfuqWMO
そして何より、本来穏やかな気性であるはずの翔鶴がこのような歪んだ性癖になってしまったその一端を、那珂も担っているのだから、始末に負えない。

「……来ました」

那珂の反対側――翔鶴の右で沈黙と瞑目を保っていた軽巡洋艦・神通が、その口を開く。
以下略



157: ◆kquYBfBssLZl[saga]
2016/08/08(月) 08:24:10.29 ID:0WxfuqWMO
事前に川内から告げられていた言葉のお陰で、艦載機が爆発する直前に感覚の共有を中断できたのが不幸中の幸いだったが、そうでなければ大鳳の視界は爆炎に覆われて、暫く使い物にならなかっただろう。

「(まさか、射程距離にも入らせてもらえないなんて……)」

改めて、彼我の実力差を実感させられる。
以下略



158: ◆kquYBfBssLZl[saga]
2016/08/08(月) 08:24:39.38 ID:0WxfuqWMO
そのお墨付きを貰って、大鳳は思わず笑みを零す。
それを見て羽黒が安心したように微笑み、受ける大鳳は、大きく息を吸う。
潮の香りが肺を満たし、先程までの心持ちが嘘のようだ。
我ながら単純だ、と思いながらも、大鳳は新たにボウガンを構える。

以下略



159: ◆kquYBfBssLZl[saga]
2016/08/08(月) 08:25:07.95 ID:0WxfuqWMO
少々卑怯な気もするが、しかし、演習を申し込んできたのは向こうなのだ。
相手の主戦場での対戦ならば、当然こういった地の利も覚悟してのことだろう。

「(――来た)」

以下略



160: ◆kquYBfBssLZl[saga]
2016/08/08(月) 08:26:23.61 ID:0WxfuqWMO
お待たせして申し訳ナス
今回はここまで
航空戦から先制雷撃までですね
演習の道は長い


161:名無しNIPPER[sage]
2016/08/08(月) 09:08:25.78 ID:pxdj0/vo0
ひえっ


162:名無しNIPPER[sage]
2016/08/08(月) 11:27:34.43 ID:xtvEJbO6o
那珂さん……?


163:名無しNIPPER[sage]
2016/08/09(火) 00:05:42.58 ID:PTpN/RUU0
アイドル、なのか?


164:名無しNIPPER[sage]
2016/09/15(木) 10:42:05.97 ID:5yzl1CYzo



165:名無しNIPPER[sage]
2016/09/20(火) 22:20:24.69 ID:Qs1dy+KY0
待ってる


166: ◆kquYBfBssLZl[sage]
2016/10/14(金) 22:30:47.25 ID:J8WJ1/+kO
生存報告



167:名無しNIPPER
2016/10/16(日) 21:17:36.99 ID:pFPu5zcQ0
待ってるで


168:名無しNIPPER[sage]
2016/10/18(火) 06:12:19.48 ID:mQqZPI/50
待ってるよん


169:名無しNIPPER
2016/11/17(木) 11:40:26.71 ID:oMBbWSam0
待ってる


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