過去ログ - ほむら「幸せに満ち足りた、世界」2(まど☆マギ×禁書)
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22:幸福咲乱 ◆5sHeUtvTRc[saga]
2015/07/26(日) 16:20:25.79 ID:3MMHOZRs0

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深夜、上条恭介は目を覚ました。
本日、正確には昨日は時間調整が難しかったとは言え、
就寝までの弾き込みの感触も悪いものではなかった。
そんな些かの満足と共に眠りに就いたのだが、ふと目を覚ます。

別に夢見が悪かった訳でもないが、取り敢えず生理現象による肉体的欲求に従い、
トイレで用を済ませて自分の部屋に戻って来る。
ここで一曲弾いたら又よく眠れそうだが、流石にそういう訳にはいかない。

スーパーセルの事やら何やらでスケジュールは破綻気味。
それでも着々と近づくコンサート当日。
そうであっても、恭介は、自分でも意外な程に焦りの様なものが希薄だった。

別に、自分が天才であると確信できる程の自信家ではない。
一応の所、確かに同年代の中では相当に上手ではある、と言う辺りの自覚はある。
それでも、何故か真剣に努力をすれば成功する、かどうかはちょっとおいても
むしろ困難な条件で待ち受ける大舞台に対して意外な程に気負いが薄い。

或いは、一時はヴァイオリニスト生命が危うい程の大事故から
ここまで回復した事がクソ度胸を付けたのかも知れないし、
もしかしたら、自分の事を心から慕い、自分も大切に思っている、
そんな相手が出来た事が心の支えになっているのかも知れない。
ベッドの縁に腰掛け、上条恭介はなんとなく、そんな事を思い浮かべる。

立ち上がり、ほんの少し、シャドー・ヴァイオリンを演奏する。
シャドー・ヴァイオリンであって、
楽器を手に弦から離れた弓を動かしながらBGMを掛けるエア・ヴァイオリンではない。

確かに、それは真面目な息抜き。
昨日の昼過ぎに学校で演奏した、学校のみんなとのちょっとした楽しみ。
心の中の演奏を終え、几帳面に一礼した恭介は、用意を済ませた学校鞄に目をやる。
そして、その上にちょこんと乗せらせた招き猫のストラップを摘み上げる。
ストラップを鞄の上に戻し、恭介は再びベッドに潜り込み目を閉じる。

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今回はここまでです>>13-1000
続きは折を見て。


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