過去ログ - 奉仕部の三人は居場所について考える
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131:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/06(月) 22:12:06.57 ID:UuQpesv2o
「やっはろー!ゆきのーん」
「うーす」
「こんにちは、ちょうどよかったわ」
132:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/06(月) 22:12:51.93 ID:UuQpesv2o
「そうね、もうすぐ12月になるものね」
「今年も終わりか。早かったな、あけおめ」
「それ早すぎない!?」
133:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/06(月) 22:14:03.54 ID:UuQpesv2o
新生徒会になってからしばらくの時間が経った。
生徒会の仕事がなにもなくて三人だけだと、前の奉仕部にいたときのような時間を過ごすことができている。
134:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/06(月) 22:15:05.88 ID:UuQpesv2o
変わったのは部屋と、席の位置と、ゆきのんが読んでいるものぐらい。
ゆきのんは引き継ぎが終わってから、文庫本じゃなくて生徒会の過去資料に目を通すようになった。
ゆきのん曰く、今後ありそうなイベントや事例について一応把握しておこうと思っているだけ、とのこと。
135:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/06(月) 22:16:36.04 ID:UuQpesv2o
ヒッキーはそんなのいらないって言うだろうけど、今度ちゃんとお礼しときたいな。
本当に感謝してるし、嬉しかったし……今度はあたしが何かしてあげたい。
あ、そうそう。変わったと思ってることがもうひとつある。それは……。
136:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/06(月) 22:17:24.51 ID:UuQpesv2o
「あー、買いに行くの?いいよー、行こっか」
「それ、俺いるか?」
「ええ。あの、リーフティーだけではなくて……。比企谷君の、ティーカップなんかを買おうと……」
137:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/06(月) 22:18:19.82 ID:UuQpesv2o
ゆきのんは言い訳をするように早口で話した。ランニング……?走るの?
よくわからないけどとりあえず、買いにいこうとヒッキーを説得しようとしているのはわかった。
「いや、紙コップんな高くねぇだろ……。イニシャルコスト越えるほどランニングコスト高くならんと思うが」
138:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/06(月) 22:19:18.34 ID:UuQpesv2o
「経費で、と言いたいところだけど、私物だから……私が出すわよ」
「それはなんか申し訳ねぇよ」
「じゃああたしも半分出すよ。ゆきのんと半分こにする。いいでしょ?ゆきのん」
139:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/06(月) 22:20:10.79 ID:UuQpesv2o
「では部活が終わったら買いに行きましょうか。いいわね比企谷君」
「なんか、あれか。断る権利はない的なやつ?」
「そういうことよ」
140:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/06(月) 22:21:15.85 ID:UuQpesv2o
「いやお前さっき経費は無理つってたろ」
ヒッキーはなおも食い下がる。そんなに気にしないでいいのに……律儀だなぁ。
「いーの、あたしがなんとかするから!ね、ゆきのんどこ買いに行く?」
141:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/06(月) 22:22:16.70 ID:UuQpesv2o
たとえ簡単に見破られるものだとしても、世の中には優しい嘘だって、望まれてる嘘だってきっとある。
三人の仲がもっと深まって、甘えたりなんでも言い合ったりできるようになれば、そんな嘘は必要なくなるんだろうな。
けど今はまだ、あたしたちにはたまに必要なんだと思う。
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