過去ログ - 奉仕部の三人は居場所について考える
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176:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/12(日) 17:57:27.93 ID:KP3+ivsDo
あまりに自然だったので私は一瞬気付くのが遅れた。由比ヶ浜さんは私に驚いた視線を送り、一色さんははわわっと変な声を漏らして戸惑っている。

最後尾で自転車を押している比企谷君は、葉山君を無言で見つめていた。

「っと、比企谷はどんなの買うつもりなんだ?」
以下略



177:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/12(日) 17:58:28.96 ID:KP3+ivsDo
「……ま、任せてよ!いいの選んだげるから」

「なんだよその謎の自信は。……不安しかねぇな」

「ヒッキー、失礼だよ!もう超可愛いの選んでやるんだから」
以下略



178:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/12(日) 17:59:43.31 ID:KP3+ivsDo
「どうしたの?」

「ヒッキーのだけどさ、お金も半分こだから選ぶのも半分こにしない?」

「どういうことかしら」
以下略



179:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/12(日) 18:01:30.43 ID:KP3+ivsDo
むしろ私が由比ヶ浜さんにいろいろとお礼を言わないといけないのに、これまで素直になれずなかなか伝えられていない。

由比ヶ浜さんは私にはできない気遣いができる。私が今こうしていられるのは彼女の尽力によるところも大きい。

私が他人と比較してわかるのは、自分が如何に欠落した人間であるかということだけだ。
以下略



180:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/12(日) 18:02:31.12 ID:KP3+ivsDo
それはまだ、今はわからないことだった。



そのまま五人でとりとめのない会話をしながら、学校から歩いていける距離の、駅近くにある複合商業施設へ向かった。
以下略



181:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/12(日) 18:04:15.75 ID:KP3+ivsDo
私は取り残された形だ。このまま立っていても始まらないので、私も由比ヶ浜さんの入った店へ行くことにした。

一緒に選ぶと言っていたのだからそのほうが良いだろうと思ってのことだ。

彼女たちは店に入って右奥から見ているようだったので、私は左奥から見ていくことにした。そうすればいずれ中央付近でぶつかるだろう。
以下略



182:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/12(日) 18:06:02.52 ID:KP3+ivsDo
「でしょー?えへへ」

「いや、全然褒めてねぇから……」

「え、そうなの?でもさー、ヒッキーにティーカップって全然イメージないんだよね。ぶっちゃけ似合わないというか」
以下略



183:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/12(日) 18:07:18.31 ID:KP3+ivsDo
そう思って離れようとしたけれど、また声が聞こえてきたので、私の足はピタリと止まってしまった。

「あ、由比ヶ浜」

「ん?」
以下略



184:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/12(日) 18:09:07.85 ID:KP3+ivsDo
「……うん。待ってる、ね」

「……おお」

最後まで聞いてしまった後で、静かにその場から離れた。
以下略



185:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/12(日) 18:10:41.66 ID:KP3+ivsDo
私はこの感情の処理の仕方を知らない。他の人はどうしているのだろう。

どうしたらいいかわからないので、離れた場所で偶然見つけたティーカップを手に取り眺めていると、由比ヶ浜さんが私を探しにやってきた。

「いたー、ゆきのーん。お、ティーカップだ。それゆきのんのオススメ?」
以下略



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