過去ログ - 奉仕部の三人は居場所について考える
↓ 1- 覧 板 20
182:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/12(日) 18:06:02.52 ID:KP3+ivsDo
「でしょー?えへへ」
「いや、全然褒めてねぇから……」
「え、そうなの?でもさー、ヒッキーにティーカップって全然イメージないんだよね。ぶっちゃけ似合わないというか」
183:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/12(日) 18:07:18.31 ID:KP3+ivsDo
そう思って離れようとしたけれど、また声が聞こえてきたので、私の足はピタリと止まってしまった。
「あ、由比ヶ浜」
「ん?」
184:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/12(日) 18:09:07.85 ID:KP3+ivsDo
「……うん。待ってる、ね」
「……おお」
最後まで聞いてしまった後で、静かにその場から離れた。
185:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/12(日) 18:10:41.66 ID:KP3+ivsDo
私はこの感情の処理の仕方を知らない。他の人はどうしているのだろう。
どうしたらいいかわからないので、離れた場所で偶然見つけたティーカップを手に取り眺めていると、由比ヶ浜さんが私を探しにやってきた。
「いたー、ゆきのーん。お、ティーカップだ。それゆきのんのオススメ?」
186:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/12(日) 18:12:11.39 ID:KP3+ivsDo
「ゆきのんどう?これ」
自信満々の顔で紹介しているが、どこからその自信が湧いてくるのか私にはわからない。
「……湯呑みね」
187:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/12(日) 18:14:52.13 ID:KP3+ivsDo
たくさんある湯呑みを見比べていると視線を感じた。横を向くと、比企谷君が呆けたような顔で私に目線を送っている。
「……なにかしら?」
「あ、いや。なんでもない」
188:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/12(日) 18:15:52.38 ID:KP3+ivsDo
少しの怒気を込めてとつとつと話す。目付きの悪いパンダの絵を全部パンさんと同じにされるのはパンさんフリークとしては見過ごせない。
いや、パンさんの目付きは悪くないし、私は言うほどフリークでもない。…………たぶん。
「ご、ごめんゆきのん。そんな怒るとは思わなかったよ……。でもさ、これはこれでなんか可愛くない?パンさんとは違うけど」
189:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/12(日) 18:16:45.74 ID:KP3+ivsDo
「俺はお前らに任せるつもりだし、それでいいよ」
「じゃあこれにするわ。由比ヶ浜さん」
二人でレジに行ってお金を支払い、比企谷君に湯呑みを渡す。
190:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/12(日) 18:17:32.63 ID:KP3+ivsDo
いつか、私と彼でディスティニィーに行ったときには、正規品のパンさん湯呑みを買ってプレゼントしようと、そう思った。
そんな日がくるなんて、自分は想像できないけど。
それでも、いつか。
191:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/12(日) 18:18:39.77 ID:KP3+ivsDo
由比ヶ浜さんが皆を窺うように上目づかいで控えめに話す。
確かに、このメンバーは全員顔見知りで繋がりはあるが、特別仲良しという感じではない。半分は比企谷君と私のせいという気もするけれど。
「確かにそうだな。俺は別に構わないけど、みんなはどう?」
958Res/569.11 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。